領域【物理から環境】の趣旨

領域【物理から環境】の趣旨

自然の根本原理を知ってはじめて、環境の変動を予測することができます。本領域では、自然の根本原理を押さえたうえで、大地、空、海という地球規模で、また地域の自然環境で何が起こっているのかを議論します。

領域代表のあいさつ
今村 文彦(東北大学大学院工学研究科 災害制御研究センター 教授)

今村文彦

平成元年3月24日 東北大学大学院工学研究科博士後期修了 土木工学専攻
平成12年8月1日 東北大学大学院工学研究科附属災害制御研究センター教授

興味がある分野
・災害科学
・流体波動数値計算(津波を始めとしたもの)
・国際津波防災技術開発及び移転
・歴史地震津波痕跡調査(国内外、エーゲ海も含む、最古の青銅文明であるミノア文 明滅亡に興味あり)
・ 地形・かたち(フラクタル幾何学など)

われわれは地球に生きていますが、この地球もまさに生きていることを知りましょう。身近にそのことを感じる機会は少ないのですが、その証拠として、火 山、地震、津波があります。これらの物理現象の原理を知ることは、最終的には、われわれ自身や地球上での共生のあり方を知ることにつながります。

 さて,身近な仙台平野でも、長い歴史の中で生じた大きな自然現象の爪痕をみることができます。例えば、平野の地層には,火山灰、堆積、洪水による地形変化、津波による堆積物が残されているのです。これらはすべて、地球の大きな活動の痕跡です。地球でおこる自然現象は、そのエネルギーが大きいときに、われわれにとって驚異となり、災害が起こります。その災害を知ることも生きていく上で大切です。例えば、過去に起こった災害を知る方法としては、 仙台平野の地層に残された痕跡を丁寧にさぐるといった方法があります。その痕跡が過去起きた地震や津波の規模や発生年代、物理現象をわれわれに語ってくれます。

 地球の歴史を知るためには、二つの方法があります。文書として残された史実を調べること、もう1つは自然現象の歴史として残された痕跡史を調べることになります。この痕跡史は広くは地史と呼ばれ、この二つを対象に過去を知ることで、われわれが住む地域を詳細に理解することができるのです。史実は重要な事実を残していますが、その内容は断片的です。地史は自然の根本原理にもとづいているので、事実同士の関係・関連を補ってくれます。史実の架け橋としての役割を果たしています。たとえば、日本三代実録という歴史書には、仙台に大津波が来たという事実が残されていますが、その実態はわかりません。一方、地史は津波の規模や来襲回数を具体的にわれわれに示してくれます。

 地球および我々地域の過去を知ることによって、また自然の根本原理を知ることによって、正確な理解や予測が可能となり、地球の将来を知ることにつながります。是非、皆さんも一緒に考えて見ましょう。


●領域アドバイザ

佐々木 俊三 (東北学院大学教養学部 学部長)
湯本 良次(東北学院大学榴ケ岡高等学校 副校長)

●協力

東北大学大学院工学研究科 災害制御研究センター


■ 学都「仙台・宮城」サイエンス・デイ2009

■ 7月5日(日)
サイエンス・フェスティバル

■ NPO法人 natural science について


■ 【2008年の開催レポート】
第1回 natural science シンポジウム(2008.07.13)