領域【生物から環境】の趣旨

領域【生物から環境】の趣旨

地球上には、多様な生物が生きています。いろいろな生物の研究をすることによって、ヒトがどのような生物なのかが、見えてきます。また生物は、環境と相互作用しながら生きています。生物と環境のつながりを感じられる領域です。

領域代表のあいさつ
本川 達雄(東京工業大学 大学院生命理工学研究科 教授)

本川達雄

・東京大学理学部生物学科(動物学)卒(1971)
・琉球大学助教授(1985-1991)
・Duke 大学visiting associate professor
・東京工業大学教授(1991-)

専門は生物学。棘皮(きょくひ)動物(ナマコ、ウニ、ヒトデ、ウミユリ)の硬さの変わる結合組織の研究や、サイズの生物学の研究をしている。科学とは自然の見方、つまり世界観を与えるものだという考えのもとに、生物学的世界観を分かりやすく説く著書を執筆している。

同じ科学と言っても、物理学と生物学とは、かなり性格が異なります。物理学は共通の原理を追い求めます。現実というものは、かなりごちゃごちゃしていますが、それをすっきりと理解できるように共通性を追い求めるのが物理学。

 生物学ももちろん、共通性を追い求めます。生物はみな細胞でできている、DNA という共通の遺伝物質をもつ、などというのは共通点です。でも生物のもう一つの特徴は、きわめて多様だ、というところです。記載されているだけでも180 万もの異なる生物がいます。生物は「環境に適応する」という共通点をもつのですが、環境がさまざまあるからこそ、さまざまに異なる種ができてきたのです。

 生物は同一種の個々の個体でも、まったく同一というわけではありません。ですから、典型的な個体や典型的な種は存在しないのです。

 つまり、共通性や典型(モデル)だけ追い求めても、生物を理解したことにはならないのですね。共通性と多様性に目をやるのが生物学です。

 科学がどんどん進むにつれ、みな、それぞれの一つの世界に閉じこもり、その仲間内だけで通用する共通の言葉で話し、考える傾向が強くなってきました。共通性を追い求める世界に住んでいると、他の世界もすべて同じやり方で考えてしまいがちです。

 違った世界は違った世界として尊重しながら、お互いに分かり合えるような平易な言語で話し合える機会をもとうというのが、この学会だと私は理解しています。とても貴重な機会だと思います。


●領域アドバイザ

菅原 研(東北学院大学教養学部 准教授)

●協力


■ 学都「仙台・宮城」サイエンス・デイ2009

■ 7月5日(日)
サイエンス・フェスティバル

■ NPO法人 natural science について


■ 【2008年の開催レポート】
第1回 natural science シンポジウム(2008.07.13)