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専門分野の枠にとらわれないニュータイプの学会「natural

専門分野の枠にとらわれないニュータイプの学会「natural science 学会」
概要 【日時】 口頭発表の部...7月4日(土)11:00〜13:30、体験ブース発表の部...7月4日(土)14:00〜17:00
【会場】 口頭発表の部...東北大学片平さくらホール2階会議室、体験ブース発表の部...同1階ラウンジ
【費用】 無料
【申込】 不要
【内容】自然現象に対して、研究者が主体的な見方を提示し、科学のプロセスを明らかにすることで、専門外の研究者や専門知識を持たない人々に対しても、科学の面白さが伝わる新しい学会。

natural science 学会 開催趣旨

natural science 学会 開催趣旨

自然科学は自然の実態とその中にある法則を探求する学問です。科学というものは、自然にもともとある実態や法則を発見したものと思われているかもしれませんが、科学は単に客観的な事実の積み重ねというだけではありません。自然の実態を見つけたといっても、それは人間が科学という眼を使ってみた実態です。人間が見つけるという意味で、科学が明らにしているのは、自然そのものというより、人間がある見方で自然をみた場合の自然の姿です。ある見方とは、科学の知識の体系、その時代の共通認識を土台に、人間の自然現象を感じる感覚によってつくられるものです。

 科学の見方によって、多様な自然現象から対象を切り出し、仮説を検証するための実験、因果律による思考といった方法によって、自然現象から認識を抽出します。この認識の積み重ねが、時代ともに科学の体系となっていきます。

 科学的な説は「手でつくり、頭で考える」という試行錯誤の中から「少なくとも、何がいえるのか?」という研究する人の主体性があってはじめて、つくられるものです。最後は客観的な事実が生まれるけれども、「どういう見方をするのか?」、「なにがいえるのか?」、科学を生み出す原動力は主観的なものです。natural science 学会では、研究成果のみならず「人が原動力となっている科学」のプロセスを見える形にすることを目的としています。

 一方、科学者は、いつの時代も社会との関係性を構築する努力をすることによって、その存在意義をつくってきました。専門分野での成果発表にとどまらず、より広い学問領域の中での発表し、さらに一般的な層に対しても研究発表をすることで「科学とは、なにか」を提示することが重要です。

 そうした科学と社会の関係性の構築のために、様々な分野で研究を行う研究者が、他分野の研究者でもその研究の意味を理解できるように発表する場として、これから研究を始めようという高校生・大学生の「科学って、そもそもなんだろう?」という問いかけに答える場として、本学会を開催します。自然現象に対して、研究者が主体的な見方を提示し、「こんなことが面白い」を共有し、主体的な興味から始まる科学のプロセスを明らかにすることができれば、専門外の研究者に対してであっても、専門の知識を持たない人々に対しても、面白さは伝わるはずです。

 この学会での発表を通じて、自分の研究をより広い学問領域でとらえなおし、研究に対するモーチベーションを見つめなおす機会になれば、幸いです。また広く一般的な層に対しても研究発表することで、科学者が今の社会の中で、どのような役割を果たすことができるのかを考える機会になればと思います。そして一方で、自然現象を探求する科学者像が、広く一般に実感できるものとして体現できればと思います。

実行委員会

【委員長】
林 叔克(NPO 法人 natural science 理事、 東北工業大学特別研究員)
【副委員長】
大野 誠吾(NPO 法人 natural science 理事、理研研究員)
【委員(学会へ行こう!メンバー)】
結城麻衣(東北学院大学)、八重樫和之(東北大学)、佐瀬一弥(東北大学)、田村友里恵(東北学院大学)

顧問

本川達雄 (東京工業大学 大学院生命理工学研究科 教授)
沢田康次 (東北工業大学 学長)
今村文彦 (東北大学院工学研究科・工学部 災害制御研究センター 教授)
佐々木俊三 (東北学院大学教養学部 学部長)
湯本良次 (東北学院大学榴ケ岡高等学校 副校長)
菅原研 (東北学院大学教養学部 准教授)
Magnus Ullner (スウェーデン王立ルンド大学 講師)

協力

東北工業大学学長、東北学院大学教養学部、ルンド大学理学部物理化学科、日本ナショナルインスツルメンツ株式会社、東北大学大学院工学研究科 災害制御研究センター


目次

領域 領域代表 領域アドバイザー
領域1
【物理から生物】
沢田康次
(東北工業大学学長)
武田曉(東京大名誉教授、東北大名誉教授)
領域2
【物理から環境】
今村文彦
(東北大学大学院工学研究科 災害制御研究センター)
湯本良次(東北学院榴ヶ岡高校 副校長)
領域3
【生物から環境】
本川達雄
(東京工業大学 生命理工学部)
菅原研(東北学院大学 准教授)、千葉聡(東北大学大学院生命科学研究科 准教授)

発表題目

領域1 アリの行列とバスのダンゴ運転 ○友枝明保1,2、西成活裕2,3 1.明治大学先端数理科学インスティテュート、2.東京大学工学系研究科、3.独立行政法人科学技術振興機構さきがけ
ボトルネックにおける人の渋滞軽減方法 ○栁澤大地1,2、西成活裕1,3 1.東京大学大学院工学系研究科、2.(独)日本学術振興会特別研究員DC1、3.(独)科学技術振興機構さきがけ
視覚情報の遮断によるヒトの視覚運動機構の変化 ○田村友里恵1,3、林叔克2,3、沢田康次2 1.東北学院大学教養学部、2.東北工業大学、3.NPO法人naturalscience
エチゼンクラゲの工業材料への有効利用研究 勝然 勇也・三浦 拓也・諏訪 勇麻・阿部 令・佐々木 卓博・鈴木 真・遠藤 雄飛・小野 浩明・東 兼規・山田 有理・伊藤 大将・小川原 佳希・今野 優也・佐々木 祐香・門馬 裕里・山内 透也 宮城県石巻工業高等学校
ヒトの運動制御システムの解析 〜ヒトによる倒立振子の制御〜 ○佐瀬一弥1,3、林叔克2,3 1.東北大学工学部、2.東北工業大学、3.NPO法人naturalscience
領域2 津波と地球科学 今村文彦,越村俊一,後藤和久,菅原大助,萱場真太郎,高橋潤,橋本貴之,川俣秀樹 東北大学大学院工学研究科附属災害制御研究センター
津波と地球科学―恐竜絶滅の隕石衝突と地球史上最大の津波― ○後藤和久1、菅原大助2 1 . 東北大学大学院工学研究科、 2 . 東北大学大学院理学研究科
地層に残る津波の証拠―仙台平野を襲った平安時代の津波― ○菅原大助1 、今村文彦2 、後藤和久2 1.東北大学大学院工学研究科、2.東北大学大学院理学研究科
領域3 逃げるカタツムリと追いかけるヘビ ○細将貴 東北大学大学院生命科学研究科
小数の働きアリが示す活動のリズム ○結城麻衣1,4、菅原研1、林叔克2,4、菊地友則3、辻和希3 1.東北学院大学教養学部、2.東北工業大学、3.琉球大学農学部亜熱帯動物学講座、4.NPO法人naturalscience
女王蟻によるパトロール行動のモデル化とパトロールの最適化問題 ○八重樫和之1,5、林叔克2,5、菊地友則3、菅原研4、辻和希3 1.東北大学工学部、2.東北工業大学、3.琉球大学農学部亜熱帯動物学講座、4.東北学院大学教養学部、5.NPO法人naturalscience

各領域の趣旨

領域【物理から生物】の趣旨

自然の根本原理を知りたいという人間の好奇心は、自然の法則という体系をつくりながらも、未知なる領域に挑戦しつづけます。本領域では,自然の根本原理をつかって、未知なる領域にアプローチする研究発表を募集します。

領域代表のあいさつ
沢田康次( 東北工業大学 学長)

沢田康次

1962年 東京大学大学院工学研究科電子工学専攻卒業
1966年 ペンシルバニア大学物理学科博士課程修了Ph.D
1973-2001年 東北大学電気通信研究所教授
2001年 東北工業大学教授・現学長

「生き生きしている現象」と「生きていることの科学」に興味がある。前者はカオスによって代表される非線形力学および樹脂状結晶やフラクタルの成長形態、後者は自己組織と環境制御による個の確立過程である。

科学の進歩は、「なぜか?」と問いかけることが根本です。「なぜか?」と、問いかけることは、その現象だけを信じることではなく、その現象を生み出しているより大きな原理を求めることです。答えをだすために、ひとつの現象だけをみて感動するのではなく、類似の現象または、少し違った現象との関係を調べることが、極めて大事です。ガリレオは望遠鏡を使って、木星にも月があることを見つけ「地球も太陽の周りを回っているのでは?」と考えました。このような思考のプロセスを現象の相対化といいます。科学は、相対化することなしにはすすみません。

 物理学は、むずかしい式を使いまわして、新しいことを見つけるのではありません。相対化の考えを使って、新しい現象の理解をすすめることが物理なのです。物理の手法は生物の理解にも、力を発揮します。「人間らしさっていうのは、なんでしょう?」このような新しい領域に問いかけるのも物理です。わたしたちは、ヒトの心を人文学的なアプローチだけではなく、科学的にも研究する必要を感じ研究してきました。ガリレオの時代は、天空の運動は、神の業として、科学から遠ざけられていました。現在においても、ヒトの心の働きは人文学の領域だとして、科学から遠ざけられています。ガリレオが天空の動きを相対化したように、心の働きを相対化して、その解明に努めることが大事だと考えています。

相対化といいましたが、その出発点は「なぜか?」という問いかけを持つことです。しかし、実はその前に不思議だという気持ち、感動が、natural scienceをやるときの一番のスタートです。雪の結晶をみて、きれいだと思ったら、感動するでしょ。「なぜか?」と問いかけて、原理を見つけることができたら、解決できる問題がひろがっていきます。なんといっても、一番大事なのは、美しいものに感動する心です。「すごい、なにこれ?」という感動の体験をもってほしいと思います。

●領域アドバイザ

武田 曉(東京大学名誉教授、東北大学名誉教授)

●協力

東北工業大学


領域【物理から環境】の趣旨

自然の根本原理を知ってはじめて、環境の変動を予測することができます。本領域では、自然の根本原理を押さえたうえで、大地、空、海という地球規模で、また地域の自然環境で何が起こっているのかを議論します。

領域代表のあいさつ
今村 文彦(東北大学大学院工学研究科 災害制御研究センター 教授)

今村文彦

平成元年3月24日 東北大学大学院工学研究科博士後期修了 土木工学専攻
平成12年8月1日 東北大学大学院工学研究科附属災害制御研究センター教授

興味がある分野
・災害科学
・流体波動数値計算(津波を始めとしたもの)
・国際津波防災技術開発及び移転
・歴史地震津波痕跡調査(国内外、エーゲ海も含む、最古の青銅文明であるミノア文 明滅亡に興味あり)
・ 地形・かたち(フラクタル幾何学など)

われわれは地球に生きていますが、この地球もまさに生きていることを知りましょう。身近にそのことを感じる機会は少ないのですが、その証拠として、火 山、地震、津波があります。これらの物理現象の原理を知ることは、最終的には、われわれ自身や地球上での共生のあり方を知ることにつながります。

 さて,身近な仙台平野でも、長い歴史の中で生じた大きな自然現象の爪痕をみることができます。例えば、平野の地層には,火山灰、堆積、洪水による地形変化、津波による堆積物が残されているのです。これらはすべて、地球の大きな活動の痕跡です。地球でおこる自然現象は、そのエネルギーが大きいときに、われわれにとって驚異となり、災害が起こります。その災害を知ることも生きていく上で大切です。例えば、過去に起こった災害を知る方法としては、 仙台平野の地層に残された痕跡を丁寧にさぐるといった方法があります。その痕跡が過去起きた地震や津波の規模や発生年代、物理現象をわれわれに語ってくれます。

 地球の歴史を知るためには、二つの方法があります。文書として残された史実を調べること、もう1つは自然現象の歴史として残された痕跡史を調べることになります。この痕跡史は広くは地史と呼ばれ、この二つを対象に過去を知ることで、われわれが住む地域を詳細に理解することができるのです。史実は重要な事実を残していますが、その内容は断片的です。地史は自然の根本原理にもとづいているので、事実同士の関係・関連を補ってくれます。史実の架け橋としての役割を果たしています。たとえば、日本三代実録という歴史書には、仙台に大津波が来たという事実が残されていますが、その実態はわかりません。一方、地史は津波の規模や来襲回数を具体的にわれわれに示してくれます。

 地球および我々地域の過去を知ることによって、また自然の根本原理を知ることによって、正確な理解や予測が可能となり、地球の将来を知ることにつながります。是非、皆さんも一緒に考えて見ましょう。


●領域アドバイザ

佐々木 俊三 (東北学院大学教養学部 学部長)
湯本 良次(東北学院大学榴ケ岡高等学校 副校長)

●協力

東北大学大学院工学研究科 災害制御研究センター


領域【生物から環境】の趣旨

地球上には、多様な生物が生きています。いろいろな生物の研究をすることによって、ヒトがどのような生物なのかが、見えてきます。また生物は、環境と相互作用しながら生きています。生物と環境のつながりを感じられる領域です。

領域代表のあいさつ
本川 達雄(東京工業大学 大学院生命理工学研究科 教授)

本川達雄

・東京大学理学部生物学科(動物学)卒(1971)
・琉球大学助教授(1985-1991)
・Duke 大学visiting associate professor
・東京工業大学教授(1991-)

専門は生物学。棘皮(きょくひ)動物(ナマコ、ウニ、ヒトデ、ウミユリ)の硬さの変わる結合組織の研究や、サイズの生物学の研究をしている。科学とは自然の見方、つまり世界観を与えるものだという考えのもとに、生物学的世界観を分かりやすく説く著書を執筆している。

同じ科学と言っても、物理学と生物学とは、かなり性格が異なります。物理学は共通の原理を追い求めます。現実というものは、かなりごちゃごちゃしていますが、それをすっきりと理解できるように共通性を追い求めるのが物理学。

 生物学ももちろん、共通性を追い求めます。生物はみな細胞でできている、DNA という共通の遺伝物質をもつ、などというのは共通点です。でも生物のもう一つの特徴は、きわめて多様だ、というところです。記載されているだけでも180 万もの異なる生物がいます。生物は「環境に適応する」という共通点をもつのですが、環境がさまざまあるからこそ、さまざまに異なる種ができてきたのです。

 生物は同一種の個々の個体でも、まったく同一というわけではありません。ですから、典型的な個体や典型的な種は存在しないのです。

 つまり、共通性や典型(モデル)だけ追い求めても、生物を理解したことにはならないのですね。共通性と多様性に目をやるのが生物学です。

 科学がどんどん進むにつれ、みな、それぞれの一つの世界に閉じこもり、その仲間内だけで通用する共通の言葉で話し、考える傾向が強くなってきました。共通性を追い求める世界に住んでいると、他の世界もすべて同じやり方で考えてしまいがちです。

 違った世界は違った世界として尊重しながら、お互いに分かり合えるような平易な言語で話し合える機会をもとうというのが、この学会だと私は理解しています。とても貴重な機会だと思います。

●領域アドバイザ

菅原 研(東北学院大学教養学部 准教授)



出展プログラム(2009)

基調講演「科学技術と東北」
専門分野の枠にとらわれないニュータイプの学会「natural science 学会」
「科学と社会」意見交換・交流会【特別編】
鼎談「白神山地の今昔-世界遺産の保全のあり方」
地震はなぜ・どうやって起こるの?
社長目線を1日体験しよう!
実践的論理的思考法を体感しよう!
いろいろな空気環境をはかろう!
プログラミング言語「LabVIEW」でトマト栽培を自動化しよう!
①蛍光X線分析を体験しよう! ②見える光、見えない光のダブルで発電しよう! ③999 通りの電子回路をつくろう!
天然鉱物「ゼオライト」の吸着効果を体験しよう!
目に見えない化学反応によって出る光「化学発光」を観察しよう!
「歯がない歯車」のすごさを体験しよう!~磁石ってこんなに力持ち~
携帯電話やゲーム機に使われているCPUに触れてみよう!
実際に体験してみよう!「アイデアの引き出し方」
「ナノ」の世界に行ってみよう!!!
本づくりを体験してみよう!
世界一のセラピー効果を持つロボット「パロ」を体験しよう
塩釜のかまぼこを揚げた使用済みの植物油でエコエネルギーに変身!
立体画像を体験する!空から地形を見てみよう!
磁石と遊ぼう!
①リサイクルゴムでスーパーボールをつくろう!②「すべらない」を体感しよう!
「米ていら」を食べてお米の力を感じよう!
新しいイチゴの品種づくりを体験しよう!
おいしい米づくりの秘密を体験しよう!
日本一、二がいっぱい!!宮城の水産業~宮城の海から食卓へ~
①アルソミトラを飛ばそう!②プラパン焼き③バランスとんぼ
【ベガ号】真昼の天体観測会
新エネ技術「燃料電池」を学んで体験しよう!
まず観察。そして自分のアイデアを形にしよう!
プチロケットを作って飛ばそう!
コイルと磁石でモーターを作ろう!
自然のすごさはどこにある?
社会生活から読む近代日本史
【natural science 学会 領域1「物理から生物」講演】ヒトの運動制御システムの解析
【natural science 学会 領域1「物理から生物」講演】視覚追従運動における視覚情報の断続
【natural science 学会 領域1「物理から生物」講演】アリの行列とバスのダンゴ運転
【natural science 学会 領域1「物理から生物」講演】エチゼンクラゲの工業材料への有効利用研究
【natural science 学会 領域1「物理から生物」講演】ボトルネックにおける人の渋滞軽減方法
【natural science 学会 領域2「物理から環境」講演】津波と地球科学―恐竜絶滅の隕石衝突と地球史上最大の津波―
【natural science 学会 領域2「物理から環境」講演】津波工学研究の展開
【natural science 学会 領域2「物理から環境」講演】地層に残る津波の証拠―仙台平野を襲った平安時代の津波―
【natural science 学会 領域3「生物から環境」講演】少数の働きアリが示す活動のリズム
【natural science 学会 領域3「生物から環境」講演】逃げるカタツムリと追いかけるヘビ
【natural science 学会 領域3「生物から環境」講演】女王アリによるパトロール行動のモデル化とパトロールの最適化問題

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