開催報告
- 概要
- アンケート結果(おとな)
- アンケート結果(こども)
- 主な掲載・放映実績
学都「仙台・宮城」サイエンス・デイ2013 大盛況のうちに無事終了!
『学都「仙台・宮城」サイエンス・デイ』とは、知的好奇心がもたらす心豊かな社会の創造にむけて、現代社会では実感する機会の少ない科学や技術の"プロセス"を子どもから大人まで五感で感じられる場づくりを目指し、2007年から毎年7月に開催している体験型・対話型の科学イベントです。
7年目を迎える今年も、2011年度からの共催として、東北大学に会場提供、独立行政法人産業技術総合研究所東北センターに広報協力という形で、多大なるご協力を賜りました。さらに今年新たな共催として、宮城県、仙台市教育委員会、仙台高等専門学校、ディスカバリー・ジャパン株式会社に、それぞれ特徴を活かしたご協力を賜りました。また、31の団体に後援いただきました。
そして本趣旨に賛同する大学・研究所や企業、行政や学校など、95団体にご出展いただき、7月21日(日)、東北大学川内北キャンパス講義棟をまるごと会場にして、『学都「仙台・宮城」サイエンス・デイ2013』を開催し、計83プログラムが一斉実施されました。おかげさまで、今年度も昨年を上回る7,206人(昨年度実績:6,311人)の方にご来場いただき、大盛況のうち無事終了することができました。出展者・来場者各位、ならびにご協力を賜りました関係団体の皆さまに、心から御礼申し上げます。
これからも、知的好奇心がもたらす心豊かな社会の創造にむけて、毎年7月に学都「仙台・宮城」サイエンス・デイを毎年開催して参りたいと存じます。なお、次回の開催日程は、2014年7月20日(日)を予定しております。引き続き、皆様のご理解・ご協力の程よろしくお願い申しあげます。
→ 学都「仙台・宮城」サイエンス・デイ2013出展プログラム一覧はこちら
【出展規模】
日 付:7月21日(日)
天 候:曇り 時々 晴れ(最高気温26℃)
対 象:こども~おとな
来場者数:7,206人(昨年度:6,311人)
サイエンスデイAWARD2013表彰式・交流パーティー開催!受賞者決定!!
『学都「仙台・宮城」サイエンス・デイ』では、あなたが"よい"と思った出展プログラムに対して、お互いに自分の賞をつくって表彰し合う取組み「サイエンスデイAWARD」を行なっています。"よい"科学や技術とは、そもそも何か?そこにはさまざまな視点があります。サイエンスデイAWARDは、複眼的な視点から評価できるよう、個人・団体問わず誰でも賞を創設できることが、最大の特徴です。
今年の「サイエンスデイAWARD」では、昨年度(34の個人・団体)を上回る、40の大学や研究機関、企業や官公庁、小中高生などにより、計42賞が創設されました。審査結果は、7月25日(木)に東北大学片平さくらホールにて開催した「サイエンスデイAWARD2013表彰式」にて発表されました。当日は、会場いっぱいとなる150名を超える多くの方に、ご出席を賜りました。
今年度は計23団体が受賞し、そのうち一冠受賞が13団体、二冠受賞が6団体、三冠受賞が1団体、四冠受賞が1団体、五冠受賞が2団体ありました。表彰式では、賞創設者から受賞者に対して、それぞれ賞状と授賞理由、副賞が授与されました。表彰式に続いて開催された交流パーティーでは、賞創設者と受賞者ら関係者による、既存の枠組みを超えた交流が行われました。
※サイエンスデイAWARD表彰式・交流パーティー2013開催報告 はこちら
☆サイエンスデイAWARD 創設された賞一覧はこちら
☆サイエンスデイAWARD 受賞者一覧はこちら(年度別) ※2013年度分は8月1日公開予定。ご理解・ご協力を賜りました関係 者の皆さまに心より感謝申し上げます。引き続き、皆様のご支援のほどよろしくお願い申しあげます。
開催趣旨
近年、我が国の科学技術研究および産業競争力の強化を実現する「科学技術創造立国」の基盤を揺るがす深刻な問題として、子どもたちの「理科離れ」が叫ばれています。「理科離れ」は単に「個人的に理科が嫌い」という問題ではなく、理科を学ぶ過程で本来養われるはずの「知的好奇心」や「論理的思考力」等の低下を意味しています。その結果として、文理問わず高等教育を理解できない学生が増大し、大学教育の質の維持が著しく困難に陥っているというかたちで問題は顕在化しており、もはや「理科離れ」問題は、国民全体による知の問題、すなわち社会的リスクであると捉えられています。
これらの社会的背景に、社会の細分化・複雑化に伴い、個々は専門家に任せ、表面だけを利用するブラックボックス化が進んだことがあります。その結果、わたしたちは効率性と引き換えに、本来そこにあるはずの自己と対象との関係性を実感することが困難な状況に陥っています。しかしながら本来、自己と対象との関係性の集積が、すなわち社会です。この自己と対象との関係性が見えない危機こそが、個人・地域社会・国レベルでの問題の本質的な原因とnatural science では捉え、そこから解決策を見出していきます。
自己と対象との関係性を実感しやすい範囲として、natural science は社会の中でも特に"地域"に着目します。自分が社会に与えている影響と自分が社会から受けている影響を実感できることで、人は自らの社会的存在意義を自覚し、主体的に活動することができます。このようなひとり一人の内発的モチベーションによる主体的なアクティビティーが、地域をつくり、そして社会全体をつくるドライビングフォースとなります。つまり"地域"こそが、社会をつくる基盤であると同時に、社会全体をつくる原動力として、大きな可能性を秘めているのです。
「科学」の本質は観察からはじまります。対象に直接触れ、自分の目で見て、自己と対象との関係性を五感で感じることなしに、知的好奇心・論理的思考力が養われることはありません。「科学」と言うと「科学は専門家だけが知っていればいい」と自己と科学との関係性を認識しようとしない風潮や、または成果ばかりが注目されがちですが、そこに至るまでのプロセスにこそ、知的好奇心や論理的思考力をはじめとする、科学的なものの見方・考え方、すなわち自己と対象との関係性を構築する姿勢が隠されています。
natural scienceでは、知的好奇心がもたらす心豊かな社会の創造にむけて、「科学」を切り口に、自己と対象との関係性の可視化・再構築の場として機能することを「科学で地域づくり」と位置づけ、日々の科学教育プログラムの開発・実施のほか、大学・研究機関や企業、行政・教育機関等と連携し、2007年から毎年、体験型科学イベント『学都「仙台・宮城」サイエンス・デイ』を開催しています。『学都「仙台・宮城」サイエンス・デイ』は、「"科学"って、そもそもなんだろう?」をテーマに、製品や成果等の"結果"だけでなく、科学や技術の"プロセス"を五感で感じられる場づくりを通じて、子どもから大人まで、各人各様の感じ方から自己と対象との関係性を可視化・再構築する場として機能することを目指すものです。
そもそも人間は生まれながらにして知ることを欲する存在です。そして生まれた創造物が共有されることは喜びです。この認識に立つ時、科学は人の本性に根ざすものとなり万人のものとなるでしょう。こうした共感の輪を生み出す循環こそが、人間の本来持つ内発的モチベーションがさらに発揮され、次、その次に登場する科学や技術が継続的に生み出され、わたしたちの心豊かな社会が達成されていく土壌となるはずです。
知的好奇心がもたらす心豊かな社会の創造に資することを願い、今年も『学都「仙台・宮城」サイエンス・デイ』を開催いたします。皆さまのご理解・ご協力・ご参加を、心よりお待ち申し上げております。
特定非営利活動法人 natural science
企画概要
〜科学のプロセスを五感で感じる ・ 科学で地域が見える〜
社会の成熟化に伴い、科学や技術はブラックボックス化し、わたしたちは便利さと引き換えに、科学や技術の"プロセス"を五感で感じる機会を失ってきました。しかしながら、科学や技術のもたらす"結果"のみを一方的に享受するだけの姿勢では、科学離れや科学リテラシー不足などの社会的リスクを回避することはできません。
一方で「仙台・宮城」は、「科学」という切り口で見ると、大学・研究機関、民間企業や行政・教育機関等が密集し、研究者や技術者等が日々、研究・開発等の活動を行う、わたしたち市民の生活と科学・技術が隣り合わせで存在する、古くから「学都」と呼ばれる地域です。
この地域の特性を活かし、「科学って、そもそもなんだろう?」をテーマに、大人も子どもも、普段科学に触れている人も触れていない人も、科学や技術の背景にある"人"や"プロセス"を自らの五感で感じられる場として、『学都「仙台・宮城」サイエンス・デイ』を毎年開催します。
『学都「仙台・宮城」サイエンス・デイ』は、「科学」を切り口に地域を再発見し、関係性再構築の場として機能することで、知的好奇心がもたらす心豊かな社会の創造に資することを目指します。
ステップと期待する効果
ステップ① 科学の"プロセス"を体験
各出展団体の現場の"人"が「おもしろい」と思う"プロセス"を形にした体験型プログラムを通じて、普段なかなか実感できない"プロセス"を体感することで、子どもから大人まで各人各様の感じ方から自然な形で興味・関心が喚起される。
ステップ② 研究者や技術者等の現場の"人"との対話
各出展団体の現場の"人"が「おもしろい」と思う"プロセス"を形にした体験型プログラムを通じて、普段なかなか実感できない"プロセス"を体感することで、子どもから大人まで各人各様の感じ方から自然な形で興味・関心が喚起される。
ステップ③ 年間を通じた科学イベントへの参加
本企画の"見本市"的な特徴を活かし、「学都仙台・宮城サイエンスコミュニティ」会員登録により、各出展団体が開催する一般むけ科学イベント(一般公開や市民むけ講座など)情報を市民へ直接的・継続的に配信できるシステムをつくることで、年間を通じて市民が科学に触れられる機会を増やす。
ステップ④ 生活の中で関連事項と遭遇
本企画は地域資源で構成されているため、本企画終了後も、市民が普段の生活の中で関連事項と遭遇する機会は多い。これまで何気なく利用していた製品や成果等の"結果"を見ても、本企画をきっかけに"プロセス"があることを想像でき、興味・関心が継続し、身近に感じられる効果が期待される。
ステップ⑤ 毎年恒例イベントとして参加
毎年開催により認知度は高まりつつあるが、今後も地道に連携機関を増やし、地域の毎年恒例イベントとして定着化を図ることで、科学・技術に興味・関心のある人から、普段は科学イベントにあまり参加しない人まで、幅広い層が科学・技術を楽しむことができる場を地域に創出していく。
ステップ⑥ お互いに応援し合うコミュニティへ
各主体の取組みについて、各主体や市民がお互いに応援し合ったり、表彰し合えるしくみ(サイエンスデイAWARD等)をつくることで、相互理解を深めながら誰もが主体的に科学に参加できる持続可能な『学都「仙台・宮城」サイエンスコミュニティ』の構築を目指していく。
今年の新しいポイント
皆様からのご要望・ご意見などを反映した、今年の新しいポイントは下記の通りです。
●イベント当日に来場者へ配布するガイドブックを、当日だけでなく1年間使えるガイドブックへと充実化を図る(学都「仙台・宮城」サイエンス・ガイドブック 保存版)。各出展団体に事前にヒアリング調査を行い、当日のプログラム紹介だけでなく、各連携機関による年間を通じた科学・技術コミュニケーション活動や、市民に提供可能なリソースをガイドブックに掲載することで、市民が年間を通じて科学・技術に対する興味・関心を深められる"ガイド役"機能を強化していく。
●イベント当日に来場者へ配布するガイドブックを、当日だけでなく1年間使えるガイドブックへと充実化を図る(学都「仙台・宮城」サイエンス・ガイドブック 保存版)。各出展団体に事前にヒアリング調査を行い、当日のプログラム紹介だけでなく、各連携機関による年間を通じた科学・技術コミュニケーション活動や、市民に提供可能なリソースをガイドブックに掲載することで、市民が年間を通じて科学・技術に対する興味・関心を深められる"ガイド役"機能を強化していく。
●仙台市科学館との連携により科学館に本イベント展示スペースを設けるなど、本イベント外でも時間的・空間的な連携を強化する。
開催概要
- 名 称
- ①学都「仙台・宮城」サイエンス・デイ 2013
②サイエンスデイAWARD2013表彰式・交流パーティー - 日 時
- ①2013年7月21日(日) 9:00~16:00
②2013年7月25日(木) 14:00~(予定) - 会 場
- ①東北大学川内北キャンパス 講義棟 (宮城県仙台市青葉区川内41)
②東北大学片平さくらホール(宮城県仙台市青葉区片平2-1-1) - 主 催
- 特定非営利活動法人 natural science (2007年6月設立)
- 共 催
- 東北大学、独立行政法人産業技術総合研究所東北センター、宮城県、仙台市科学館、仙台高等専門学校、ディスカバリー・ジャパン株式会社
- 後 援
- 仙台市、宮城県教育委員会、仙台市教育委員会、東北学院大学、東北工業大学、東北経済産業局、 一般社団法人東北経済連合会、 公益財団法人東北活性化研究センター、社団法人みやぎ工業会、仙台管区気象台、独立行政法人理化学研究所、仙台商工会議所、 仙台市PTA協議会、宮城県中小企業団体中央会、社団法人日本技術士会東北支部、 一般社団法人宮城県発明協会、 NHK仙台放送局、東北放送、 東日本放送,仙台放送、ミヤギテレビ、 DateFM、 河北新報社、 読売新聞東北総局、産経新聞社東北総局、 朝日新聞仙台総局、 毎日新聞仙台支局、日刊工業新聞仙台総局、 時事通信社仙台支社、共同通信社仙台支社
- 入 場 料
- 無料
- 来場対象
- こどもからおとなまでどなたでも
- 来場見込
- 約6,500人(2012年実績:6,311人)
- 出展費用
- 無料(ただし出展に関わるその他の費用はご負担下さい)
- 出展募集
- 約85プログラム
- お問合せ
- 特定非営利活動法人 natural science 事務局 大草芳江
〒980-0023 仙台市青葉区北目町4-7 HSGビル3階 Five Bridge 内
Tel.022-721-2035
URL http://www.natural-science.or.jp/
お問合せフォーム - 備 考
- 本事業は、独立行政法人科学技術振興機構の平成25年度科学技術コミュニケーション推進事業「機関活動支援」を受けて実施しています
応援メッセージ
掲載順序は到着順です
宮城県知事 村井 嘉浩 さん
『学都「仙台・宮城」サイエンスデイ2013』の御開催,誠におめでとうございます。
私たちの生活は,科学や技術の進化により,日々便利になってきています。そして身の回りにあるモノや現象は,当たり前に存在するものとして見聞きしてしまいがちです。しかし,その成り立ちにはいくつかのプロセスがあり,そのプロセスを体感しようというテーマで,『学都「仙台・宮城」サイエンスデイ』は7年目を迎えました。県内の大学・研究機関,関連企業の皆さんの御協力の下,子どもから大人までが楽しみながら,プロセスを五感で体験できるなど,科学や技術を身近に感じられる絶好の機会として定着しつつあります。ぜひ,この体験を通して,科学技術への理解を大いに深めていただきたいと思います。
本県は,震災からの復興に向け,県民一丸となって取り組んでいるところですが,このイベントに多くの企業様や県民の皆さんが参加され,宮城,東北を元気にするイベントになることを心から期待します。
仙台市教育委員会 教育長 上田 昌孝さん
このたびの『学都「仙台・宮城」サイエンスディ2013』の開催は誠に意義深く,心よりお祝い申し上げます。
未曾有の被害をもたらした東日本大震災で,私たちは改めて命の大切さ,家族の尊さ,人とのつながり,自然とのかかわりについて考えさせられました。また,被災地が着実に復興していく姿に,自分たちの生活を見つめ直し,そこに立ち止まることなく未来を切り開いていこうとする人間の逞しさ,偉大さを強く感じています。
これから復興や未来の社会の担い手となるみなさん,自然と人間が共生していくときに科学を学び,科学的に様々な事象を理解することは重要な意義があります。この企画はふだんなかなか見られない科学や技術を五感で体感できる絶好の機会です。そして,地域の大学・研究機関・企業の研究者や技術者の皆さんにも直接接することができる機会でもあります。みなさんの興味や関心そして夢を大きく育てていってほしいと願っています。
がんばれ!仙台・宮城のこどもたち
仙台市科学館 館長 石井 鉄雄 さん
私たちは毎日、いろいろな科学技術に囲まれて生活しています。けれども、冷蔵庫はどうして冷えるのか、テレビはどうやって映っているのか、自動車はどういう仕組みで走っているのか、など普段あまり考えることはありません。高度な科学や技術が身近にあることに慣れっこになって、その原理を考えたり、不思議さを感じたりする機会はとても少なくなっているのではないでしょうか。そういう意味で、科学や技術は私たちにとってとても遠い存在になっているとも言えるでしょう。でも、この見えにくい科学の世界が本当はどのようなものなのか、覗いてみたいと思っている人は多いのではないでしょうか。『学都「仙台・宮城」サイエンスデイ』は、科学・技術や科学者・技術者の皆さんと、普段はそれとは縁遠い市民の皆さんが親しく触れ合える機会を提供してくれます。ぜひ、多くの皆さんにこの催しに参加して、楽しく科学を体験していただきたいと思います。仙台市科学館は、市民と科学の橋渡しをすることが重要な使命であると考えています。この『学都「仙台・宮城」サイエンスデイ』の催しは、まさにその目的にかなう大きな取組みであり、高く評価しています。仙台市科学館はこれからも精一杯この活動を応援してまいります。
仙台市天文台 台長 土佐 誠 さん
『学都「仙台・宮城」サイエンス・デイ2013』のご開催おめでとうございます。サイエンス・デイの趣旨「科学のプロセスを五感で体験」は大変素晴らしく、大賛成です。私にとって科学とは自然の法則や論理によって、自然界の疑問や謎を解き明かすプロセスです。日常生活の中にも、ふだんは気がつかなくても、考えてみれば不思議なことがたくさんあります。なにか「ふと気になる」、「ふと気がつく」ことがあったとき、そこが科学への入口です。たとえば、月の満ち欠けは日常の風景ですが、夕暮れの空に月が浮かんでいるのに気がついたとき、それを見ながら、月と地球と太陽を頭の中に描いて、それぞれの位置関係を確認します。昔、地球・月・太陽の模型を使って月の満ち欠けを初めて理解したとき、私にとっては大発見でした。科学のプロセスを五感で体験したのです。そんな記憶とともに、今も月を見ながら、頭の中に宇宙を再現して科学を楽しみます。今年、サイエンス・デイが開催される7月21日は満月の二日前になります。夕方、皆さんが帰途につく頃、東の空に少しかけた月がポッカリ浮かんで見えるはずです。サイエンス・デイの楽しい記憶とともに、月の満ち欠けの理由を考えてみてください。
経済産業省 東北経済産業局長 山田 尚義 さん
この冬は雪が何度も降りました。その度に口を開けて雪を吸い込んでいたら、気付いたのです。雪によって舌触りが異なる。身近な発見に思わず頬が緩みました。サイエンスデイは、若者にとって、身近なことから宇宙の成り立ちまで様々な「不思議」に対して、五感を使って挑戦できる絶好の機会です。若者の感覚はいつも鋭敏ですから、きっと心を揺さぶる体験ができるはず。ご父兄の皆様におかれては、オームの法則や元素周期律表に悩まされたことは忘れ、水素を燃やした昔を思い出し、お子様方をこの行事にお誘い下さる様お願い申し上げます。もしかしたら、将来の博士やビルゲイツが生まれるかもしれません。今年も多くの若者が『学都「仙台・宮城」サイエンスデイ2013』を通じて科学好きになっていくこと、そうやって東北復興を担う人材が育つことを期待しています。
国立仙台高専 校長・国立高専機構 理事・東北大学名誉教授 内田 龍男 さん
私達の身のまわりには、当たり前と思っていたことでも、よく考えると不思議なことがたくさんあります。その理由がわかった時、自然は何とおもしろいんだろうと感動すると思います。これが科学の原点です。それがわかれば、次はこんなことに使えるのではないかと思い、これが技術に発展していきます。
学都仙台宮城サイエンス・デイはこんなことを誰にでもわかるように体験させてくれる素晴らしい企画だと思います。おもしろく、理解しやすいようにいろいろ工夫して展示・ 実験・説明する方々も、それを見て科学のおもしろさに感動する方々も、共に楽しんでいる光景が毎年たくさん見られます。
学都仙台の素晴らしいイベントとして、市民みんなで支え、盛り上げていきましょう。
みやぎ工業会会長 竹渕 裕樹 さん
『学都「仙台・宮城」サイエンス・デイ2013』のご開催おめでとうございます。
科学や技術は、人々の生活の質を高め、心を豊かにしていくために進歩・発展しているものだと信じております。しかし近年、生活の質が高まり、豊かにはなりましたが、子供たちの科学に対する興味が薄れてきたというのは皮肉なものです。おそらく、「心の豊かさ」を追求することを忘れていたのではないかと思います。物質的豊かさを求めるために、何もかも、あまりにもスピードを上げすぎ、じっくり考えるといった教育を行うことが出来なかったからではないでしょうか?
「なぜ?」「どうして?」といった質問にじっくり向き合う姿勢が、科学や物事に対して興味を持ち続ける原動力になるものと思います。サイエンス・デイはたった1日のイベントですが、子供たちの素朴な疑問にじっくりと向き合い、科学が大好きな子供が増えるようになったら大変うれしく思います。
東北大学大学院工学研究科 研究科長・教授 金井 浩 さん
こんなに科学が発達しても,人間は光合成のできる木の葉を作ることはできません。似たものは出来ても本物とは程遠いです。必要な元素を組み合わせ単細胞生物のゾウリムシを作ることは,想像すら出来ません。20世紀の科学の発展によって確かに豊かな生活ができるようになりましたが,身の回りには,まだ解明されていないことの方が遥かに多いのです。不思議に思う「知的好奇心」を大切にし,自然や社会を相手に不思議を解明する学問が「科学(サイエンス)」です。そこでの発見をもとに,さらに人や社会を豊かにする発明などの学問を「工学(エンジニアリング)」と言います。このサイエンスディのテーマの「心豊かな」というのは,周囲や自然に関心をもち,受け身でなく積極的な気持ちで生きることだと思います。出品される多くは,こうした心豊かな方々の成果です。是非参加される皆さんの知的好奇心もさらに豊かになることを願っています。
独立行政法人 産業技術総合研究所東北センター所長 三石 安 さん
4月に産総研東北センター所長に着任しました。すぐにNPO法人Natural scienceの大草さんがお見えになり、『学都「仙台・宮城」サイエンス・デイ2013』の趣旨を熱く語ってゆかれました。大草さんは、自分や周りの人たちが科学や技術に関心を持たなくなっている現状に危機感をもち、この催しを始めたとのこと。確かに、普段使っているいろいろな製品には、たくさんの科学や技術の成果が盛り込まれているのに、それには無頓着で便利さだけを求めていては、新しいアイデアを生み出す力が衰え、強いては社会の衰退を招くおそれがあります。サイエンス・デイのプログラムでは、研究者や技術者が普段に行っている研究・開発のプロセスを、研究者ではない普通の人たちが直感的に感じられる場を目指して、体験型・対話型の科学プログラムを多数設けるとのことです。一般のひとが、科学や技術に対する理解を独力で深めることはなかなか難しいことですので、こうした催しは公的研究機関である産総研東北センターとしても大歓迎です。この催しを通じて、一人でも多くの皆さんの知的好奇心が刺激され、それが科学への関心へつながって産総研の研究活動の理解にもつながるなら大変ありがたいことです。また、この催しが、これからますます加速してゆく様々な技術進歩を、的確に評価して自分にふさわしい形で受容することで、楽しく快適な生活を営むきっかけになることを期待しています。
一般社団法人 東北経済連合会 会長 高橋 宏明 さん
イノベーションの創出は、日本経済の成長・再生のカギを握っています。それを支えるのが科学技術です。東北が東日本大震災から復興に向けて、単なる復旧ではなく継続的なイノベーションの創出に取り組むことが、国際競争力を持った産業復興に繋がります。
東北では東北大学の技術をベースに、戦前では東北金属工業(現NECトーキン)、東洋刃物、本山製作所、さらに戦後は通研電気工業が設立されました。現在も多くの企業が産学連携に取り組み、イノベーションを創出し、東北の経済の活性化に一役かっています。 今後も継続的にイノベーションを創出するためには、次世代を担う子供たちに科学技術を理解する機会をつくることが大切です。『学都「仙台・宮城」サイエンス・デイ』は、子供たちが科学技術の背景にある"プロセス"を五感で体験する場です。ぜひたくさんの方々が足を運び、盛会に開催されることを期待しています。
東北大学 情報科学研究科 教授・東北大学 副学長 青木孝文 さん
実は、私は子供のころから現在に至るまで、サイエンス・フィクション(SF)、特に、ハードSFが好きです。ハードSFというのは、科学の知識をテーマの中心にしたSFです。遠い未来のテクノロジーは、私たちにとって、そもそも「ブラックボックス」ですね。そのブラックボックスの中身を想像してみるということが好きでした。
最近のガンダムにも、「軌道エレベーター」など、まだ人類が実現できていないアイディアが出てきます。そういうのを見るにつけ、子供のころにA.C.クラークの「楽園の泉」などを読んでいた私としては、「そんなの知ってるもんね」、と思ったりするわけです。大人になってからは、「軌道エレベーターみたいな巨大構造物を作るには、材料科学のブレークスルーが必要だな」とか、「いやいやその前に経済的な課題の方が大きいな」などと、ちょっと夢がなくなったりしながらも、想像するわけです。
さて、大学では、コンピューターで人間の視覚の機能を実現する研究に取り組んでいいます。研究活動では、SFを楽しんだときに培った「想像力」が、実はたいへん役に立っています。ぜひ、大人も子供も一緒になって、想像力を働かせながら、サイエンスデイをエンジョイしてください!!