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サイエンスデイ2024

開催趣旨

 近年、我が国の科学技術研究および産業競争力の強化を実現する「科学技術創造立国」の基盤を揺るがす深刻な問題として、子どもたちの「理科離れ」が叫ばれています。「理科離れ」は単に「個人的に理科が嫌い」という問題ではなく、理科を学ぶ過程で本来養われるはずの「知的好奇心」や「論理的思考力」等の低下を意味しています。その結果として、文理問わず高等教育を理解できない学生が増大し、大学教育の質の維持が著しく困難に陥っているというかたちで問題は顕在化しており、もはや「理科離れ」問題は、国民全体による知の問題、すなわち社会的リスクであると捉えられています。

 これらの社会的背景に、社会の細分化・複雑化に伴い、個々は専門家に任せ、表面だけを利用するブラックボックス化が進んだことがあります。その結果、わたしたちは効率性と引き換えに、本来そこにあるはずの自己と対象との関係性を実感することが困難な状況に陥っています。しかしながら本来、自己と対象との関係性の集積が、すなわち社会です。この自己と対象との関係性が見えない危機こそが、個人・地域社会・国レベルでの問題の本質的な原因とnatural science では捉え、そこから解決策を見出していきます。

 自己と対象との関係性を実感しやすい範囲として、natural science は社会の中でも特に“地域” に着目します。自分が社会に与えている影響と自分が社会から受けている影響を実感できることで、人は自らの社会的存在意義を自覚し、主体的に活動することができます。このようなひとり一人の内発的モチベーションによる主体的なアクティビティーが、地域をつくり、そして社会全体をつくるドライビングフォースとなります。つまり“地域” こそが、社会をつくる基盤であると同時に、社会全体をつくる原動力として、大きな可能性を秘めているのです。

 そもそも「科学」の本質は観察からはじまります。対象に直接触れ、自分の目で見て、自己と対象との関係性を五感で感じることなしに、知的好奇心・論理的思考力が養われることはありません。「科学」と言うと「科学は専門家だけが知っていればいい」と自己と科学との関係性を認識しようとしない風潮や、または成果ばかりが注目されがちですが、そこに至るまでのプロセスにこそ、知的好奇心や論理的思考力をはじめとする、科学的なものの見方・考え方、すなわち自己と対象との関係性を構築する姿勢が隠されています。

 natural science では、知的好奇心がもたらす心豊かな社会の創造にむけて、「科学」を切り口に、自己と対象との関係性の可視化・再構築の場として機能することを「科学で地域づくり」と位置づけ、日々の科学教育プログラムの開発・実施のほか、大学・研究機関や企業、行政・教育機関等と連携し、2007 年から毎年、体験型科学イベント『学都「仙台・宮城」サイエンス・デイ』を開催しています。『学都「仙台・宮城」サイエンス・デイ』は、「“科学” って、そもそもなんだろう?」をテーマに、製品や成果等の“結果” だけでなく、科学や技術の“プロセス” を五感で感じられる場づくりを通じて、子どもから大人まで、各人各様の感じ方から自己と対象との関係性を可視化・再構築する場として機能することを目指すものです。

 そもそも人間は生まれながらにして知ることを欲する存在です。そして生まれた創造物が共有されることは喜びです。この認識に立つ時、科学は人の本性に根ざすものとなり万人のものとなるでしょう。こうした共感の輪を生み出す循環こそが、人間の本来持つ内発的モチベーションがさらに発揮され、次、その次に登場する科学や技術が継続的に生み出され、わたしたちの心豊かな社会が達成されていく土壌となるはずです。

 知的好奇心がもたらす心豊かな社会の創造に資することを願って、18 回目を迎える今年も『学都「仙台・宮城」サイエンス・デイ』を開催いたします。皆さまのご参加を心よりお待ち申し上げております。

特定非営利活動法人 natural science
大草 芳江


企画概要

科学のプロセスを子どもから大人まで五感で感じる日

五色のサイエンスの文字は、「五感で感じること」と「科学の多面性」を表しています。また黒箱は、「ブラックボックスを開けること」と「多様な主体が一堂に集う場」を表しています。

 社会の成熟化に伴い、科学や技術はブラックボックス化し、わたしたちは便利さと引き換えに、科学や技術の“プロセス”を五感で感じる機会を失ってきました。しかしながら、科学や技術のもたらす“結果”のみを一方的に享受するだけの姿勢では、科学離れや科学リテラシー不足などの社会的リスクを回避することはできません。

 一方で、ここ仙台・宮城は、「科学」という切り口で見ると、大学・研究機関、民間企業や行政・教育機関等が密集し、研究者や技術者等が日々研究・開発等の活動を行い、わたしたち市民の生活と科学・技術が隣り合わせで存在する、古くから「学都」と呼ばれる地域です。

 この地域の特性を活かし、「科学って、そもそもなんだろう?」をテーマに、大人も子どもも、普段科学に触れている人も触れていない人も、科学や技術の背景にある“人”や“プロセス”を自らの五感で感じられる場として、『学都「仙台・宮城」サイエンス・デイ』を毎年開催します。

 『学都「仙台・宮城」サイエンス・デイ』は、「科学」を切り口に地域を再発見し、関係性再構築の場として機能することで、知的好奇心がもたらす心豊かな社会の創造に資することを目指します。

ステップと期待する効果

ステップ① 科学の"プロセス"を体験

 各出展団体の現場の"人"が「おもしろい」と思う"プロセス"を形にした体験型プログラムを通じて、普段なかなか実感できない"プロセス"を体感することで、子どもから大人まで各人各様の感じ方から自然な形で興味・関心が喚起される。

ステップ② 研究者や技術者等の現場の"人"との対話

 喚起された興味・関心は各人 各様であり、それぞれの人が「知りたい」と思うところから、研究者や技術者等の現場の“人” との対話を通じて、各自が興味・関心を深めることができる。

ステップ③ 生活の中で関連事項と遭遇

 本企画は地域資源で構成されているため、本企画終了後も、市民が普段の生活の中で関連事項と遭遇する機会は多い。これまで何気なく利用していた製品や成果等の"結果"を見ても、本企画をきっかけに"プロセス"があることを想像でき、興味・関心が継続し、身近に感じられる効果が期待される。

ステップ④ 年間を通じた科学イベントへの参加

 本企画の"見本市"的な特徴を活かし、「学都仙台・宮城サイエンスコミュニティ」会員登録により、各出展団体が開催する一般むけ科学イベント(一般公開や市民むけ講座など)情報を市民へ直接的・継続的に配信できるシステムをつくることで、年間を通じて市民が科学に触れられる機会を増やす。

ステップ⑤ 毎年恒例イベントとして参加

 毎年開催により認知度は高まりつつあるが、今後も地道に連携機関を増やし、地域の毎年恒例イベントとして定着化を図ることで、科学・技術に興味・関心のある人から、普段は科学イベントにあまり参加しない人まで、幅広い層が科学・技術を楽しむことができる場を地域に創出していく。

ステップ⑥ お互いに応援し合うコミュニティへ

 各主体の取組みについて、各主体や市民がお互いに応援し合ったり、表彰し合えるしくみ(サイエンスデイAWARD等)をつくることで、相互理解を深めながら誰もが主体的に科学に参加できる持続可能な『学都「仙台・宮城」サイエンスコミュニティ』の構築を目指していく。

ステップ⑦ 科学と社会をつなぐ優れた方法論を共有

 サイエンス・デイ オブ ザ イヤーの審査を通じて、科学と社会をつなぐ優れた方法論を発見し、地域で共有化するしくみをつくることで、次なる創造へとつなげていく。

今年のポイント・注意点

● サイエンス・デイのチラシ裏面に、科学イベント情報を掲載できます  (県内の全公立小中学校並びに出展高校等に約23万部を学校配布予定) 

 今年下半期に開催される科学イベント情報を一元的にまとめた『学都「仙台・宮城」サイエンスマップ~科学イベント編~』を、今年度もサイエンス・デイのチラシ裏面(県内の全公立小・中学校及び出展高校等に全児童・生徒分の約23万部を6月下旬~配布予定)を活用して作成し、学校配布します。科学イベント情報掲載ご希望の方は、natural science までご連絡ください。

● 科学イベント情報告知・申込・受付自動化システムを利用できます
 (学都「仙台・宮城」サイエンスコミュニティ会員:約3万人) 

 『学都「仙台・宮城」サイエンスコミュニティ』の個人会員(約3万人) むけに、各団体が年間を通じて開催している科学イベント情報を告知し、 申込・受付を自動化できるWebシステムを利用できます(無料)。 ご希望の方は、本コミュニティのWebサイトからお申し込みください。



“光” に関するミニブース出展を募集し、光の波長順に並べます

 サイエンスデイでは2014年度から通常の出展プログラムのほかに、“光”を切り口に地域の科学・技術を可視化する『学都「仙台・宮城」サイエンスマップ光編』を作成し来場者に毎年数量限定で配布しており好評を得ています。そこで2018年度から本マップの実物展示版として、電磁波の波長順に光に関する展示品を並べる“光”ゾーンを会場の講義棟1階(来場者数が最も多いエリア)に設置し、来場者が本マップの紙版片手により理解を深めていただく企画も行っています。本企画は一部屋になるべく多くの“光”に関する展示品を並べることで俯瞰した理解をねらいとするため、通常出展とは出展要綱が一部異なり、1出展あたりの展示スペースは机1、2個程度と小さく、説明人員も必須ではありません。通常出展とリンクしたダブル出展も歓迎します。光に関わる研究・開発をされている方はぜひご検討ください。


科学・技術を社会・一般に伝える優れた方法論を審査・表彰により可視化・共有化することを目的として、「サイエンス・デイ オブ ザ イヤー」を2016 年度から実施しています。自己推薦制のため、出展申込書とは別に、所定の自己推薦書を7月5日(金)までに提出してください(提出先:info@natural-science.or.jp)

開催概要

名  称
①学都「仙台・宮城」サイエンス・デイ 2024(第18回)
②サイエンスデイAWARD2024表彰式
③サイエンス・デイ オブ ザ イヤー2024 表彰式
日  時
①2024年7月14日(日) 9:00~16:00 ※2024年7月13日(土)会場設営準備
②2024年7月22日(月)14:00~17:00(創設されたAWARDの数によって決定))
③2024年8月19日(月)15:00~17:00
会  場
①東北大学 川内北キャンパス 講義棟(仙台市青葉区川内41)等
②東北大学 青葉山キャンパス サイエンスキャンパスホール(仙台市青葉区荒巻青葉6-6)
③東北大学 片平キャンパス「知の館」(仙台市青葉区片平2-1-1)
主  催
特定非営利活動法人 natural science (2007年6月設立)
共  催
東北大学、国立研究開発法人産業技術総合研究所東北センター、東北大学多元物質科学研究所、仙台市教育委員会、東北工業大学、仙台高等専門学校、公益社団法人応用物理学会東北支部、一般社団法人日本物理学会東北支部、一般社団法人電子情報通信学会東北支部、公益社団法人日本金属学会東北支部、公益社団法人日本分光学会東北支部、東北大学知の創出センター、東北大学工学研究科・工学部創造工学センター、みちのくアカデミアスタートアップ共創プラットフォーム
協  賛
株式会社ユーメディア、一般財団法人みやぎ産業科学振興基金、東北学院大学産学連携推進センター
後  援
文部科学省、内閣府知的財産戦略推進事務局、宮城県、仙台市、宮城県教育委員会、東北経済産業局、国立研究開発法人科学技術振興機構、 一般社団法人東北経済連合会、仙台管区気象台、国立研究開発法人理化学研究所、国立研究開発法人宇宙航空研究開発機構、東北学院大学、宮城大学、東北生活文化大学、東北医科薬科大学、公益財団法人東北活性化研究センター、一般社団法人みやぎ工業会、宮城県中小企業団体中央会、公益財団法人みやぎ産業振興機構、一般社団法人宮城県発明協会、仙台商工会議所、仙台経済同友会、一般社団法人情報処理学会東北支部、一般社団法人日本機械学会東北支部、公益社団法人日本化学会東北支部、一般社団法人映像情報メディア学会東北支部 、一般社団法人日本光学会、一般社団法人電気学会東北支部、公益社団法人日本天文学会、公益社団法人土木学会東北支部、一般社団法人日本建築学会東北支部、公益社団法人日本建築家協会東北支部、公益社団法人 空気調和・衛生工学会東北支部、公益社団法人日本水産学会東北支部、公益社団法人 計測自動制御学会東北支部、日刊工業新聞社東北・北海道総局、読売新聞東北総局、毎日新聞仙台支局、朝日新聞仙台総局、河北新報社、TBC 東北放送、仙台放送、KHB 東日本放送、NHK 仙台放送局、ミヤギテレビ、エフエム仙台
入 場 料
無料
来場対象
こどもからおとなまでどなたでも
来場見込
約10,000人(2023年度実績:8,828人、2019年度実績:10,658人)
出展費用
無料(ただし出展に関わるその他の費用はご負担下さい)
※ 手弁当モデルによる自立運営のため運営協力へのご協力をお願いします(「運営協力(協賛)のお願い」)
出展募集
リアル会場での出展(講座プログラム型、体験ブース型)のほか、オンライン出展やハイブリッド出展も可能です
お問合せ
特定非営利活動法人 natural science 事務局 大草芳江
〒980-0023 仙台市青葉区北目町4-7 HSGビル7階
Tel.022-721-2035
URL http://www.natural-science.or.jp/
お問合せフォームはこちら

応援メッセージ

掲載順序は到着順です

宮城県知事 村井 嘉浩 さん

 第18回『学都「仙台・宮城」サイエンス・デイ2024』が開催されますこと、心からお祝い申し上げます。 科学技術の進歩により、人々の生活は日々便利になっていますが、私たちは、当たり前のものとして、その仕組みを十分に理解せずに暮らしてしまいがちです。こうした中『学都「仙台・宮城」サイエンス・デイ』は、大学・研究機関、関連企業の皆様の連携、協力の下、子どもから大人までが、科学のプロセスを楽しみながら五感で体験できるイベントとして定着しています。  このイベントに多くの企業や県民の皆様が参加され、科学技術への理解を深められるとともに、宮城、東北を元気にするイベントになることを心から期待します。

仙台市長 郡 和子 さん

 『学都「仙台・宮城」サイエンスデイ2024』の開催に当たり、心よりお喜び申し上げます。この日を楽しみにしていた方も多くいらっしゃると思います。
 このサイエンスデイは、「科学って、そもそもなんだろう?」をテーマに今回で18回目を数え、各地の大学・研究機関や企業、中学校、高等学校等がここ学都仙台に集結し、子どもから大人まで科学の魅力を五感で感じ取ることができる体験型イベントとして、多くの方々に親しまれております。この度の開催にご尽力をいただいた皆様に、深く感謝申し上げます。
 本市では、科学技術を生かしたまちづくりに取り組んでおり、とりわけ将来を担う子どもたちの教育において、様々な機会を通じて科学に触れ、子どもたちの好奇心を刺激し、考える力や探求心を養っていくことが大切であると考えております。本年4月に次世代放射光施設ナノテラスが本格稼働し、今、ここ仙台が学術界、産業界で注目されています。これまで以上に多くの方に科学への関心を持っていただきますこと、そして、本イベントを通じて、最先端の科学技術を身近に感じ、体験いただき、今後の学都仙台を担う人材が育っていくことを期待しております。

東北大学総長 冨永 悌二 さん

 本年も東北大学川内キャンパスを会場に『学都「仙台・宮城」サイエンス・デイ2024』が開催されますことを大変嬉しく思います。
 今年で18回目を迎えるサイエンス・デイは、「学都・仙台」を象徴する夏のイベントとして定着し、毎年多くの皆さまにご参加いただいており、今回も地域の大学、研究機関、企業のご協力の下、科学の楽しさ、面白さを体験し、さまざまな技術に触れることで、知的好奇心を高め、科学に親しんでいただけるプログラムが多数用意されています。
 また、現在本学は、日本を先導する世界最高水準の研究大学を支援する目的で、日本政府がスタートした全く新しいプログラムである国際卓越研究大学の唯一の認定候補校に選ばれており、これまでにない新しい研究大学として、世界的な科学技術の発展に貢献できるよう様々な教育・研究活動を進めています。今回も本学の研究の一端をご紹介しておりますので、本イベントを通して、多くの皆さまにとって「科学」がより身近なものとなり、興味・関心を一層深めていただくことを願っています。

国立研究開発法人産業技術総合研究所 東北センター 所長 蛯名 武雄 さん

 サイエンス・デイにようこそ。あなたは今日多くの実験を見るでしょう。多くの説明を聞いたり、講座に参加して話を聞いたりするでしょう。そのときに何かしら疑問が出てくると思います。「説明してもらっていたことが分からなくてちょっと恥ずかしいな」「忙しそうなのに聞いたら悪いかな?」そんな気持ちになるかも知れません。でも、そのような時には、ちょっと勇気を出して、実験している方、お話している方に質問してみてください。彼ら/彼女らはあなたの質問を喜んで受けてくれます。
 彼ら/彼女らはあなたの質問がないと逆に心配になってしまいます。舞台でコントを演じて会場から笑いが起こってこない状態です。「実験が面白くないのでは?」「私の説明は分かりにくいのでは?」彼ら/彼女らは不安の中であなたの質問を待っているのです。
 「なぜ?」「なぜ?」「なぜ?」と繰り返し質問して大丈夫です。むしろ話が弾んでより楽しい時間が過ごせることでしょう。
 それに後で、「あの実験はね、じつはこうゆうことなのだよ」と、子供に知ったかぶりできるかも知れませんよ。

国立研究開発法人科学技術振興機構 理事 柴田 孝博 さん

 『学都「仙台・宮城」サイエンス・デイ2024』の開催に当たり、心からお祝い申し上げます。みなさんご存じの「持続可能な開発目標(SDGs)」が2015年9月に国連で採択されて9年目を迎えています。しかしながら、掲げられた17の目標は遙か高く、依然として世界には、そして私たちの身の回りにも社会問題や環境問題などの様々な解決すべき課題が山積しています。2030年までにSDGsを達成するためにはそれぞれの組織が、そして私たち一人一人がSDGsを自分事として捉え、積極的に行動する必要があります。でも、そうは言っても忙しい日々を過ごす中で、様々な事象を自分事化することはそう簡単では無いことも事実だと思います。サイエンス・デイが「科学って、そもそもなんだろう?」、「科学や技術の背景にはどんなことがあるのだろう?」といった知的好奇心がもたらす心豊かな社会の創造のプラットフォームとしてますます発展されることを心から期待しております。

宮城大学 学長 佐々木 啓一 さん

 学都「仙台・宮城」サイエンス・デイ2024の開催,おめでとうございます。宮城大学は,昨年初めて参加させていただき,たくさんの感動をもらいました。何と言っても子供たちが目を輝かせながら,生き生きとイベントに参加している姿に感動しました。そして,お子さんを連れて来てくださる親御さん方の姿にも心を打たれました。遥か昔に、父親に手を引かれていろいろなイベントに行った記憶が蘇りました。老若男女を問わず人は皆,好奇心に富んでいますが,その好奇心に応える体験が好奇心をより育み,保ち続けるうえで大切な要素ではないでしょうか。今や子どもたちもYouTubeで自在に多くの知識を吸収しています。しかし実際に見て、触って、好奇心をかき立てられ,満足するという体験は何よりも貴重です。そして中高生を含め、出展される方々の思いにも感動しました。サイエンス・デイが今後とも多くの人々に好奇心をもたらし続けることを期待します。

国立研究開発法人科学技術振興機構 社会技術研究開発センター 企画運営室 室長 大矢 克 さん

 今年も皆さんが楽しみにされている『学都「仙台・宮城」サイエンスデイ2024』が開催されますこと、心からお祝い申し上げます。サイエンスデイは、この仙台の地で各機関による連携のもと、子どもから大人まで、科学のプロセスを楽しみながら五感で感じられる日として今年で18回を迎えられました。この学都に根差した活動に育て上げられた関係者皆様、そしてこのイベントを支えた多くの参加者の皆様に深い賛辞をお送りしたいと思います。私が所属する科学技術振興機構 社会技術研究開発センター(RISTEX)では、社会課題解決のための科学研究、いわば「社会のための科学」を支援しています。このサイエンスデイの体験型・対話型の科学イベントを通じ、参加される皆さんの知的好奇心が刺激されることで学都に蒔かれた科学の種子が、いずれ日本、そして世界中に広がり、現在の、そして将来の様々な「社会課題」を解決する原動力になることを期待しています。

東北大学 多元物質科学研究所 所長、
公益社団法人日本金属学会 東北支部長 福山 博之 さん

 東北大学青葉山新キャンパスに建設された世界最高レベルの放射光施設(ナノテラス)がいよいよ運用を開始しました。今後、国内の研究者だけでなく世界中から研究者が集い、サイエンスパークが賑わい、まさに学都・仙台にふさわしい雰囲気に包まれていくことでしょう。今年で18回目を迎えるサイエンスデイは、ナノテラスよりもずっと前から仙台市の土壌に科学の種を植え、水をやり市民の科学へのマインドを大切に育成してきたと言えるでしょう。このような地道な努力が実を結び、市民がサイエンスを身近に感じる科学リテラシーが醸成されていったのだと思います。仙台市はナノテラスと共に世界のアカデミックコアシティとなり、市民が誇る学都として力強く飛躍していくことでしょう。サイエンスデイは市民参加の科学イベントとして、今後もますます大きな貢献をしていくものと期待しています。

東北経済産業局 前局長 戸邉 千広 さん

 『学都「仙台・宮城」サイエンス・デイ2024』の開催に当たり、心よりお祝い申し上げます。
 ここ「仙台・宮城」から、これまで世界に誇る多くの研究者や技術者が生まれました。世界中で使用されている、東北大学八木秀次教授と宇田新太郎教授による八木・宇田アンテナが発明され、今年で100年になります。数多くの科学技術が私たちの生活を豊かにし、夢を実現させてきました。
 サイエンス・デイは、「科学って、そもそもなんだろう?」をテーマに、科学技術の背景にある人やプロセスにフォーカスし、大人や子どもまで楽しく五感で感じられる貴重な機会です。
 本イベントを通して、科学との素敵な出会いから、皆さまの好奇心や探求心が触発され、心豊かな社会の創造につながることを期待しております。

公益社団法人応用物理学会東北支部長 宮﨑 讓 さん

 仙台・宮城の定番となった「サイエンス・デイ」が、今年もやってきました。昨年同様に通常開催されるとのことで、私自身もわくわくしています。これから夏休みを迎える小中学生の皆さんにとって、強く記憶に残るイベントになることを願います。また、学校の先生方や親御様におかれましては、生徒・お子様が抱いた好奇心をいつまでも持ち続けていけるように、大事に見守っていただきますようお願いいたします。私たち応用物理学会東北支部は、理科教室の実施や様々な物理現象を応用した教材開発を通して、未来社会を支える人材育成を行ってまいります。

株式会社 メムス・コア CTO 江刺 正喜 さん

  学都「仙台・宮城」サイエンスデイには、いろいろな分野の多くのグループが出展し、子供さんを連れた家族などで大変にぎわっています。参加者は1万人を超えるほどになりました。これは幅広い分野の科学に接して、ブラックボックスでなくできるだけ中身を理解して利用できるようにする良い機会だと思っています。私は青葉台にある「西澤潤一記念研究センター」に居りますが、そこでは「近代技術史博物館」をはじめとして5つの展示室を常設し、実際のものを自由に見て頂けるようにしています。幅広い分野にまたがる知識を持ち視野を広げると同時に、発展の歴史を理解してもらいたいと思います。これによって進むべき方向なども見えてきます。このためエレクトロニクス関係を中心にした近代技術史を雑誌「金属」(アグネ技術センター)に10回連載(2022/4-2023/1)し、また「伊達な大学院」 (オンライン) で見ていただけるようにしています(無料)。

日本物理学会東北支部長 木村 憲彰 さん

 学都「宮城・仙台」サイエンス・デイの季節がやってきました。誰でも気軽に出展できて、来場した参加者も身近に科学に触れ合うことができるこのイベントはとても素晴らしいと思います。特に小さい子供たちが楽しそうにしている顔を見ると、うれしくなります。最初は理屈とかはわからなくてもよいから、とにかく面白いと感じることが大切だと思います。たくさんの子供たちにサイエンス・デイに来てもらいたいと願っています。小学生の皆さんには、夏休みの自由研究のヒントがあるかもしれません。また、中高生の皆さんには、ぜひとも出展のほうにもチャレンジしてもらいたいです。見るよりも見せるほうが大変ですが、そこから得るものも多く、貴重な体験になると思います。なにより、自分が面白いと思ったことをみんなと共有することができるのは、うれしいことです。今年もサイエンス・デイで皆さんの笑顔に出会えることを楽しみにしています。

国立仙台高等専門学校 校長 澤田 惠介 さん

 子供たちにサイエンスの素晴らしさを伝えることは容易なことではありません。そもそも子供たちが何に興味を示すのかは人それぞれですし、伝えたい内容が専門的になると難解となり、簡単過ぎると面白みが減ってしまうので匙加減も大変です。しかし、身近なサイエンスから巨大サイエンスまでの様々なサイエンスを一堂に展示するサイエンスデイなら、子供たちは心を奪われるそれぞれのサイエンスを見つけ出すことがきっと出来るでしょう。また、すぐにスマホに手を伸ばしてしまう最近の子供たちでも、工夫を凝らした展示に触れ多様な企画に参加しているうちに、サイエンスの面白さに引き込まれると思います。サイエンスデイは子供たちがサイエンスの魅力に気づく貴重な機会となっており、その継続開催は学都仙台で活躍する次世代の育成に間違いなく貢献しています。サイエンスデイ関係者のご尽力に心から感謝いたします。

東北大学理事・副学長(研究担当)・知の創出センター長 杉本 亜砂子 さん

 『学都「仙台・宮城」サイエンス・デイ2024』の開催に当たり、心よりお祝い申し上げます。私たちの身の回りには生活を便利にする機器であふれています。パソコン、スマートフォン、タブレット等の普及により世界中から様々な情報を瞬時に得られる時代になりました。情報を簡単に得られるようになった反面、「なぜ?」と考えることが少なくなったように思われます。サイエンス・デイは、この「なぜ?」をとことん追求しながら、科学のプロセスを体験できる非常に貴重なイベントです。大人から子どもまで多くの方が科学技術に触れ、興味をもっていただけるのではないのでしょうか。これからの社会はAI(人工知能)が一層普及するといわれています。昨今、ChatGPTなどの高度なAIが様々な分野から注目を浴びています。AIやその裏にあるサイエンスを理解することで、人間の知的活動はさらに広がります。サイエンス・デイを通して、人間の知性の偉大さ、素晴らしさに気づき、知的好奇心が大いに刺激されることを期待しております。

仙台市天文台 名誉台長 土佐 誠 さん

 『学都「仙台・宮城」サイエンス・デイ2024』の開催おめでとうございます。昨年につづき通常開催とのこと、うれしく思います。サイエンス・デイはサイエンスと人との出会いと発見の場です。様々な活動や交流を通じて新しいサイエンスや考え方に出会うことができます。また、今まで気づかなかった興味や関心を発見する機会にもなります。サイエンスの恩恵は私たちの生活の隅々におよんでいますが、使い方を誤ると、手に負えない結果を招くこともあります。サイエンスの使い方もサイエンスの一部です。サイエンスの成果は「情報」として発信され世界に広がりますが、誤った情報は予期せぬ混乱を引き起こします。情報の扱いも要注意です。私たちがサイエンスを信頼し活用できるのは、その中心に「真理の探求」、「本当のことを知りたい」というモットーがあるからです。サイエンス・デイはこうした広いサイエンスの世界に触れられるまたとない機会になります。

東北工業大学 学長 渡邉 浩文 さん

 『学都「仙台・宮城」サイエンス・デイ2024』が開催されますことを、大変嬉しく、心よりお祝い申し上げます。
 この催事が願う「科学のプロセスを子どもから大人まで五感で感じる日」は、科学、特に実験・実習にて、実際に物や装置に触ったり動かしたり、匂いを感じたり、空気の揺れを感じたり、その感覚にまず魅了されるところから始まるのだと思います。
 是非、多くの子どもたち、そして大人たちに、科学のワクワクを体験していただきたいと思います。

東北大学 環境科学研究科長 吉岡 敏明 さん

 サイエンスデイ2024の開催おめでとうございます。世の中は、サーキュラーエコノミーの実現を目指した動きが活発化しており、その1丁目1番地がカーボンニュートラルに向けた取組といえます。その実現への道は、新しい技術開発だけでなく、様々な技術の組み合わせや経済性、社会受容性などの多様な視点からの最適解や取り合い条件の交点を見つけ出すことにあります。 アカデミアや技術者はこの多様な視点を持ちながらそれぞれの専門性を磨くことに日夜努力を続けています。サイエンスデイの展示を見ていると、身の回りで見つけたサイエンスの面白さや感動を多くの人と分かち合いたいと、様々に工夫を凝らしている様子が思い浮かび、それは アカデミアや技術者の姿とも重なります。今年は、サイエンスそのものはもちろん、それを世の中に届けるテクノロジーにも注目して、持続可能な将来を想像しながら楽しみたいと思います。

東北大学名誉教授・仙台高等専門学校名誉教授 内田 龍男 さん

 ここ仙台・宮城の地は、古くから「学都」として知られる学問の盛んな地域です。それに関連する大学を始めとしたさまざまな機関がたくさんありますが、これらの多くの機関と連携して、NPO法人natural scienceが学都「仙台・宮城」サイエンス・デイを2007年に立ち上げられました。それから18年、新型コロナウイルスの時期に少し中止されましたが、それ以外、ずっと毎年続けてこられて、出展者も参加者も増加の一途をたどり、毎年の一大定例行事となっています。このサイエンス・デイは日本で最初に作られて高く評価され、その後、日本の他の地域でも同様な仕組みが少しずつ始まっています。
 実際、若い人から大人までたくさんの人たちが大変楽しく参加しておられます。そしてこの結果が若い人達の知識や能力の発展に大きく貢献していかれると思います。是非、出展者の方々も参加者の方々も、共に楽しみながらこのサイエンスデーを盛り上げてゆきましょう。

東北大学大学院農学研究科長・学部長 北澤 春樹 さん

 「なんだろう」と不思議な気持ちから「なぜだろう」と興味を持ち、その不思議を解き明かすためサイエンスが威力を発揮します。その威力は、解き明かそうとする気持ちの強さによって増強されます。またその方法は多岐に渡り、答えが一つではないこともあります。そのプロセスは決して容易ではありませんが、一つまた一つと解き明かされる度にワクワクする世界に引き込まれていきます。サイエンスとは興味の追究であり、興味はまた興味を呼び無限に続くことから、サイエンスは進歩し続けています。過去にわからなかった事が、今は理解され、それによりさらにわからない事が生まれてきます。現時点のサイエンスを知り、未来のサイエンスを想像することで、あらたな興味もわいてくると思います。「サイエンス・デイ2024」に参加し、多岐に渡る分野の「なんだろう」「なぜだろう」からの発見と、その解明から活用への発展をぜひ肌で感じて皆さんの興味をさらに高めて欲しいと思います。

一般社団法人 東北経済連合会 会長 増子 次郎 さん

 『学都「仙台・宮城」サイエンス・デイ2024』の開催、誠におめでとうございます。東北経済連合会(以下「東経連」)では、宇宙誕生の謎に探る素粒子物理実験施設「国際リニアコライダー」(以下「ILC」)等、世界最先端の研究開発プロジェクトの実現に取り組んでいます。ILCは、日欧米の研究者が中心に検討している国際共同科学プロジェクトで、世界の研究者は、建設候補地に岩手県南部から宮城県北部にかけての北上サイトを希望しています。
 昨年、世界最大(円周27km)の大型加速器をLHCが立地するヨーロッパの素粒子物理学実験施設のCERNを視察しました。科学の進歩だけでなく、様々なベンチャー企業が生まれていく様子を伺い、改めて、ILC日本誘致の重要性を再認識しました。
 東経連では、2016年からサイエンス・デイにILCのブースを出展しています。今年もお子様にもILCに親しんで頂けるように、素粒子のキャラクターを使った輪投げ等を準備してお待ちしています。「サイエンス・デイ」が盛会に開催され、子どもたちの科学技術への知的好奇心を高める機会となることを大いに期待しています。

東北大学大学院理学研究科長 都築 暢夫 さん

 皆さんの周りで起きている自然現象に「なぜだろう」と感じることはありませんか?「なぜだろう」を見つけ、もっと詳しく知りたいと思うところからサイエンス(理学)は始まります。どのようなときに同じ現象が起きるのか、似た現象や違う現象が起きてないかなどをよく観察し、なぜ起きるか仮説を立て、実験や観察を通して仮説が正しいか確かめます。うまく説明できなかったら仮説を修正し、実験や観察を繰り返します。直ぐにはうまく説明できないかもしれませんが、自分が立てた仮説が正しいと分かったときには喜びが込み上げてきます。自然現象の中に見つけた「なぜだろう」を解明するのがサイエンス(理学)で、多くの人たちのこれまでの努力が積み重なり人類共通の知的財産が創造され、現在も日々新たな知が加わっています。
 サイエンス・デイでは、皆さんが見つけた自然現象の中の「なぜだろう」について皆さんの手による解明を楽しみにしています。「なぜだろう」を解き明かした経験と喜びを、多くの参加者と分かち合い、サイエンスの楽しさを満喫しましょう。

公益社団法人日本化学会 東北支部長 殷 澍 さん

 『学都「仙台・宮城」サイエンスデイ2024』が開催されることを心よりお祝い申し上げます。サイエンスデイは、子どもから大人まで、科学の魅力を五感で体験できる貴重な機会です。このイベントを通じて、皆さんが科学の不思議さや楽しさを感じ、多くの方々に新たな発見と学びの機会をもたらすことを期待しております。近年、私たちは安全安心、環境問題、地球温暖化、気候変動など、様々な課題に直面しています。これらの課題において、科学、特に化学が果たす役割はますます重要です。このイベントを通じて、未来の科学者たちがこれらの課題に挑戦し、解決策を見つける一助となることを心から願っています。関係者の皆様のご努力に感謝し、イベントの大成功を心よりお祈り申し上げます。皆様の情熱と献身が実を結び、このイベントが地域社会に大きな影響を与えることを信じています。皆様の益々のご活躍を祈念し、引き続き応援しております。

東北大学名誉教授、日本哲学会元会長 野家 啓一 さん

 人類の歴史を振り返ると、第一次世界大戦が「化学戦争」、第二次世界大戦が「物理学戦争」と呼ばれているように、不幸なことに科学技術の進歩は軍事技術の発達と表裏一体のものでした。第三次世界大戦が危惧されている現在は人間不在の「AI戦争」の様相すら呈しています。もちろん複雑化した社会的困難を解決するためには「科学なし」には何もできませんが、同時に「科学だけ」でも有効な解決は見出せません。科学技術と「ELSI(倫理的[Ethical]・法的[Legal]・社会的[Social]諸問題[Issues])」は切り離せないからです。最近は科学知と人文知が協力し合う「総合知」の必要性が叫ばれていますが、この「サイエンスデイ」の意欲的な企画出展を通じて、特に若い世代の皆さんが、人類の未来を支える総合知の重要性に目を向けるきっかけにしていただければ幸いです。

東北大学名誉教授、宮城学院女子大学元学長 末光 眞希 さん

 インターネットが発達し、いつの間にか私たちは、「答え」はどこかから探してくるもの、と考えるようになりました。自分で考えることをやめたのです。コロナ禍での毎日が、この態度を強めました。今年になって生成型AIがやって来ました。彼らに何かを問うと、それは見事に嘘と真実をまぜこぜに教えてくれます。私たちにとって今大切なことは、みんなが「これが真実!」と言っていることを本当にそうかな?と思うことです。そのためには、空気(ひとの気持ち)を読むことを一度忘れ、事柄の論理に没頭してみることが大事です。サイエンスはそんな風にして発展してきた人類の英知です。文系も理系もありません。みんなが一度、サイエンスの面白さを知るべきです。不思議だな?と思う気持ちを大切にしましょう。自分で試してみましょう。どんな話も私の人生とどう関わるか考えましょう。そんなことを一日学べる「サイエンスデー2024」です。どうぞお楽しみに!

東北大学 副学長(社会連携・研究評価担当) 長坂 徹也 さん

 「継続は力」という言葉があります。『学都「仙台・宮城」サイエンス・デイ』のこれまでの活動歴を振り返ってみると、まさに「継続は偉大なる力」と思わざるを得ません。コロナ禍でのブランクがあったとはいえ、18回目を数える地道な活動は、既にこの継続の力を世の中に発揮しているかもしれませんが、これから開催回数を重ねることによって、「継続」の持つ力がどんなに素晴らしいものかを、更に具体的に示していくことと思います。サイエンス・デイのような基礎科学の啓発活動による果実は、将来の卓越した科学者、研究者、技術者、起業家の卵等の若い人財のみならず、将来大化けする可能性がある新しい価値のエンブリオ、そしてそれにつながる創造的模倣の契機等でしょう。これらは世界を先導する教育研究機関を目指す大学にとっても必要な果実になるはずです。我々も今まで以上にしっかりご支援、ご協力出来ればと存じます。

公益社団法人日本分光学会東北支部長 藤井 朱鳥 さん

 自然科学を発展させてきたものは人が自然に対して内在的に持つ興味、すなわち、様々な自然現象を考え、観察し、そしてそれらを基にして何かを試みることによって得られる喜びです。この喜びは職業人としての研究者や将来の専門家を目指して学ぶ者だけに許されるものでは決してなく、自然とこの世界の理(ことわり)に興味を持つ全ての人に開かれているものだと思います。サイエンスデイは自然に対する驚きとその理解の喜びを実体験として共有しあう貴重な機会です。コロナ以降、リモートで体験できることが劇的に増えましたが、自分の手を動かして、あるいは実際に観て得られる体験に優るものはやはりありません。サイエンスデイを楽しみ、それがサイエンスに対する喜びを知る機会となることを期待しています。

東北大学 大学院工学研究科長 伊藤 彰則 さん

 仙台・宮城サイエンスデイは、未来の科学者やエンジニアたちが、最新の技術を直接体験し、その原理や可能性について深く考える場を提供します。世界が直面している環境問題や持続可能な開発に関して、科学技術がどのように社会に貢献できるかを探求するよい機会ともなるでしょう。サイエンスデイの体験を通じて、若い科学者やエンジニアの卵である参加者の皆さんに、「自分たちの力で未来を切り開き、社会に貢献する」という強い意志を持ってもらいたいと考えています。
 テクノロジーの急速な進化が続く現代において、主体的に学び、新しい知識を取り入れることがますます重要になっています。サイエンスデイは、参加者の皆さんが科学技術の楽しさを発見し、未来への好奇心を育むきっかけとなることを願っています。一緒に、科学技術の力で明るい未来を創造しましょう。

東北大学金属材料研究所所長 佐々木 孝彦 さん

 「学都「仙台・宮城」サイエンスデイ2024」の開催を大変楽しみにしています。コロナ禍を経て、いろいろなことがオンラインでできることがわかり、いつでもどこに居ても世界中の現実、仮想の両空間と簡単につながれるようになりました。そのような利便性と引き換えに実体験の機会と興味が少しずつ減退しているように思います。参加者と出展者の双方が対面で手を動かして「もの」をつくり、現象を「観察」し、結果を「思考」「議論」して「知識」を集積する体験ができるサイエンスデイが、テーマパーク的な楽しさや面白さを1日限定で提供するだけではなく、地域社会の次の世代を担う子供たち(大人も)の一生を豊かにするきっかけのイベントにさらに成長していくことを応援していきたいと思います。そして、今日の参加者が明日の出展者となり、サイエンスの楽しさと難しさの両方の経験と連鎖が仙台・宮城・東北から世界へと広がることに期待しています。

東北大学大学院生命科学研究科長 彦坂 幸毅 さん

 『学都「仙台・宮城」サイエンスデイ2024』の開催を心よりお慶び申し上げます。科学は「これまでなかったもの」を生み出すことができます。参加者のみなさまには、その「これまでなかったもの」が生み出されようとする瞬間を感じていただけるのではないかと思います。また、最前線で多くの研究者が、研究を楽しんでいる様子を、一緒に楽しんでいただければとても嬉しいです。
 主催者の大草芳江さんは、当研究科在学中に科学教育の重要性に目覚めて起業し、サイエンスデイを2007年から開催されました。以来、震災やコロナ禍にめげることなく、毎年続けられ、本年は第18回を迎えることとなりました。大草さんの志の高さとその根気に敬服するとともに、参加者のみなさまには大草さんのスピリッツも感じていただきたいと思います。

東北大学大学院医工学研究科長 西條 芳文 さん

 学都「仙台・宮城」サイエンス・デイ 2024の開催おめでとうございます。サイエンス・デイはお子様から付き添いの方々までみんなに、最新のサイエンスを実感していただくために、多くの学校・研究機関が協力して開催されている一大イベントです。特に、科学者の卵のみなさんに「自分たちの手でよりよい未来を創っていく」という気持ちが育つように、多くの体験コーナーや展示が準備されています。
 医工学は「医」と「工」の研究者が連携するだけではなく、患者さんや医療従事者の意見・要望を取り入れながら発展してきた分野です。科学は科学者だけがつくるのではなく、科学に興味をもつ人すべてが育てていくものです。サイエンス・デイに参加されるすべての方々が、ご自身の「サイエンス」を育てていただくことを心から願っております。

東北生活文化大学 学長・東京藝術大学名誉教授 佐藤 一郎 さん

 レオナルド・ダ・ヴィンチは、「絵画は、科学(サイエンス)である。」と述べ、「……、わたしは、あらゆる確実さの母である経験から生まれ、明らかな経験で終わらないような科学、つまり、始めか、中間か、終わりかが、五感のいずれかを通過しないような科学は、空虚で誤りに満ちているように思われる。……」と続けています。このような人間の感覚を通した体験にねざす科学の本質は、『サイエンスデイ2024』に集う、小学生、中学生、高校生のみなさんにこそ宿っているように見えました。  絵画は、目という感覚器官を通して見た三次元、および時間をも含めた時空間の世界を、二次元の平面に表現することです。それには、光の存在によって、ありとあらゆる色彩をともなった対象物を感知することが前提になっています。この場合、光とは、赤、橙、黄、緑、青、紫といった色光の集合体である可視光線(白色光線)です。現代では、赤外線、紫外線、X線などの電磁波を使って、絵画の自然科学的調査が行われています。どのような絵画材料と絵画技術で描かれているのか、500年前のレオナルド・ダ・ヴィンチにおいても、かなり詳細に解説できるようになってきました。絵画を対象として、自然科学的調査研究する若い人材が育つことを期待しております。

文部科学省大臣官房審議官(科学技術・学術政策局担当) 西條 正明 さん

 本年も、『学都「仙台・宮城」サイエンスデイ2024』が開催されますこと、心からお祝い申し上げます。18回目を迎える本イベントは科学の"プロセス"を子供から大人まで五感で感じる日として、数多くの団体から様々な科学分野の出展があり、東北を代表する素晴らしい科学イベントであると思います。
 災害激化、国際枠組の変化等、社会が複雑かつ多様化している現代においては、科学的思考をベースに物事を適切に判断できる科学リテラシーを子供から大人まで全ての人が身に着けることの重要性がますます高まっています。
 本イベントが、多くの方に科学の魅力を肌で感じていただき、科学への知的好奇心をふくらませていただく場となり、子どもから大人まで、科学の楽しさを知り、好きになるきっかけにつながることを、期待しております。

学校法人新英学園 仙台歯科技工士専門学校 学校長 伊藤 多佳男さん
(サイエンスデイ オブ ザ イヤー殿堂入)

 今年もついにこの季節がやってまいりました。「子どもたちの理科離れを何とかしたい!」という思いで『学都「仙台・宮城」サイエンス・デイ』を仙台の代表的イベントにまで成長させた大草様、遠藤様をはじめ、関係者の皆様の情熱と努力に対し心より敬意を表します。理科に限らず本来勉強は、教科書の内容を憶えることに終始するものではなく、「解らなかったことが解るようになる」「出来なかったことが出来るようになる」という、面白くて楽しい体験の連続であるべきものです。そして、そんな勉強本来の楽しさを子どもたちに知ってもらいたいという熱い思いに溢れるサイエンス・デイは、まさに「教えるということは、こちらが差し出したものがつらい義務ではなく、貴重な贈り物だと感じられるようなことであるべきです。」というアインシュタインの言葉を会場のいたる所で具現化している夢のような一日であると強く感じます。当日は「科学の子どもたち」が「貴重な贈り物」をたくさん持って,楽しい思い出とともに帰路に就かれることを願っております。

特定非営利活動法人 科学協力学際センター代表理事、東北大学名誉教授 川添 良幸 さん

  杜の都仙台にはオリジナルが一杯あります。日本の水力発電発祥の地は三居沢です。金属材料研究所で発明された当時は「仙台の塵」と揶揄されたセンダストは記録媒体用材料のほぼ全てで使われています。太平洋戦争の敗因の一つとされる米軍による日本の無線暗号解読には、日本軍より先に電気通信研究所発明の八木アンテナが使われました。牛タンしか知らない等と言わず、他にも沢山ありますので是非調べてみて下さい。年齢によらず誰でも参加でき賞も出せるサイエンス・デイの素晴らしいアイデアは仙台発祥のオリジナルです。コロナ禍後は更に内容が充実していると感じます。今後とも発展し続け、国内外へと広がっていって欲しい素晴らしい企画です。

一般社団法人情報処理学会 東北支部長 羽生 貴弘 さん

 学都「仙台・宮城」サイエンス・デイ2024の開催、誠におめでとうございます。昨年は4年ぶりの通常開催となり、多くの方々が様々な科学技術に触れる機会を得られたことを大変嬉しく思います。
 情報処理学会東北支部では、情報処理技術の研究・開発を通じて人々の生活をより豊かにするために日々活動を行っております。情報処理技術を含む最先端の科学技術は、身近にあるものであっても「よく分からないもの」になってしまいがちですが、サイエンス・デイでは、そのような身近な先端技術を体感できる貴重な機会となっております。
 また、運営スタッフの皆様の熱意と努力が、サイエンス・デイの成功に不可欠なものであることは間違いありません。特に昨年に引き続き通常開催ということで、大変な準備や労力がかかる中、素晴らしいイベントを創り上げてくださり、本当にありがとうございます。今年もサイエンス・デイが、多くの人々に科学技術の面白さや社会に与える影響力を体感していただけるイベントになることを心よりお祈り申し上げます。

一般財団法人みやぎ産業科学振興基金理事長、東北大学名誉教授 伊藤 弘昌 さん

 学都「仙台・宮城」はこれまでに、世界が認める輝かしい偉業を数多く輩出してきた。初期の発明としてよく知られる八木・宇田アンテナ、岡部マグネトロン、センダストなどの1920-30年代のものは、そろそろ誕生100周年を迎える。その後の100年の間にも、世界トップの研究成果創出は枚挙に暇がない。毎年、年末のノーベル賞発表時に、受賞の期待される現役の研究者も数多くいる。この流れを引き継ぎ、さらに新たにするのが若い次の世代である。科学の楽しさ、面白さ、わくわく感を肌で感じてもらえるように工夫した「サイエンス・ディ」の催しは重要である。若い年代の人たちがこの催しに参加し、楽しく感じながら、将来ともに歩み始める人が一人でも多くなるよう期待したい。その企画運営は、情熱的に取り組む人たちに現在では支えられ活動するまでに育ってきたことに、敬意を表するとともに、その重大性は一層大きい。応援したい。

一般社団法人電子情報通信学会 東北支部 支部長  松浦 祐司 さん

 仙台・宮城の夏の風物詩である『学都「仙台・宮城」サイエンス・デイ』の開催、誠におめでとうございます。今年も昨年に引き続き通常開催とのこと、大変楽しみにしております。
 電子情報通信学会は1917年に創立された電信電話学会がその始まりであり、創立以来100 年を超える、非常に歴史のある学会です。本会は電子・情報・通信および関連する分野の国際学会として、光り輝く未来に向けた人材の育成に貢献することを目指しています。2020年7月より主に小中高生を対象としたジュニア会員制度が始まりました。会費無料で会員になることができ、様々な特典が用意されています。研究者の卵として、電子・情報・通信の研究分野における学会活動を体験してみたい中高生の皆さんはぜひ入会してください。
 サイエンス・デイに来場された皆さんが好奇心をもって科学に触れることで新しい発見につながり、科学に携わる様々な方々との交流の輪が広がることを心より期待しています。

東北大学 理事・副学長(教育・学生支援) 滝澤 博胤 さん

 学都「仙台・宮城」サイエンスデイ。今年も東北大学川内北キャンパスで盛大に行われます。七夕まつりと並んで仙台の夏の恒例イベントになりました。キャンパスの講義棟をフルに活用して高校や専門学校、高専・大学、地域クラブ、企業など、この地に集う多くの機関が展示や体験イベントなどの多彩な催しを企画しています。「見て、触れて、実感する」という科学のイロハを体感し、存分に夢の世界を味わってみてください。この日、この時の体験が、皆さんの未来への道しるべになることでしょう。イベントを楽しむだけではなく、プログラムを出展しているスタッフの表情にも注目しましょう。探求する喜びに満ちた、生き生きとした表情で皆さんをお迎えしてくれることでしょう。

東北大学 副理事(AI・データ戦略担当) 中尾 光之 さん

  『学都「仙台・宮城」サイエンスディ2024』の開催おめでとうございます。いま、生成系のAI登場を受けて益々巷ではAIの話題でもちきりです。 AIに関する輝かしい未来やリスクが語られるとき、科学する知性とAIの知性はどう違うのかを問い、考え続けることこそが重要です。 両方の知性の差異を利用し創造性を紡ぎだすことがきっとこれからの知を形作るはずです。サイエンスディが、そんな新たな知の萌芽を感じ取れる場になることを願っています。

東北大学理事・副学長(企画戦略総括) 青木 孝文 さん

 実は、私は子供のころから現在に至るまで、サイエンス・フィクション(SF)、特に、ハードSFが好きです。ハードSFというのは、科学の知識をテーマの中心にしたSFです。遠い未来のテクノロジーは、私たちにとって、そもそも「ブラックボックス」ですね。そのブラックボックスの中身を想像してみるということが好きでした。
 最近のガンダムにも、「軌道エレベーター」など、まだ人類が実現できていないアイディアが出てきます。そういうのを見るにつけ、子供のころにA.C.クラークの「楽園の泉」などを読んでいた私としては、「そんなの知ってるもんね」、と思ったりするわけです。大人になってからは、「軌道エレベーターみたいな巨大構造物を作るには、材料科学のブレークスルーが必要だな」とか、「いやいやその前に経済的な課題の方が大きいな」などと、ちょっと夢がなくなったりしながらも、想像するわけです。
 さて、大学では、コンピューターで人間の視覚の機能を実現する研究に取り組んでいいます。研究活動では、SFを楽しんだときに培った「想像力」が、実はたいへん役に立っています。ぜひ、大人も子供も一緒になって、想像力を働かせながら、サイエンスデイをエンジョイしてください!!

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