開催報告
- 概要
- アンケート結果
- 主な掲載・放映実績
2014.07.20 学都「仙台・宮城」サイエンス・デイ2014 大盛況のうちに無事終了しました!
『学都「仙台・宮城」サイエンス・デイ』とは、ブラックボックス化した現代社会で実感する機会の少ない科学や技術の"プロセス"を子どもから大人まで五感で感じられる場づくりを目指し、既存の枠を超えた多様な主体と連携のもと、学都仙台・宮城の地で、2007年から毎年開催している体験型・対話型の科学イベントです。
8回目を迎える今年度も、本趣旨に賛同する大学・研究所や企業、行政や教育機関など100を超える団体からご理解・ご協力を賜り、東北大学をまるごと会場にして、7月20日(日)、『学都「仙台・宮城」サイエンス・デイ2014』を開催し、盛況のうちに無事終了することができました。
あいにくの雨模様の中、ご来場いただきました7,382人の皆様、そしてご出展・ご支援をいただきました団体の皆様に、心から御礼申し上げます。これからも知的好奇心がもたらす心豊かな社会の創造にむけて、学都「仙台・宮城」サイエンス・デイを継続的に開催して参りたいと存じます。引き続き、皆様のご理解・ご協力の程よろしくお願い申しあげます。
学都「仙台・宮城」サイエンス・デイ 出展について
出展内容について
下記2点を満たす体験型プログラムを募集します
① 科学や技術の「プロセス」を感じられること
② 現場の「人」と直接対話できること出展形態について
下記2形態から選ぶことができます(複数出展可)
● 体験ブース型:自由参加型(入退場自由)
● 講座プログラム型:予約申込型(対象年齢や人数を設定できます)
→ 学都「仙台・宮城」サイエンス・デイ2014出展プログラム一覧はこちら
【出展規模】
出展者数:のべ144団体(昨年度:のべ95団体)
プログラム数:のべ120プログラム(昨年度:のべ83プログラム)
◆講座プログラム型:40講座・計129回実施(昨年度:32講座・計90回実施)
◆体験ブース型:80ブース(昨年度:51ブース)
サイエンスデイAWARD賞創設:47個人・団体より計49賞(昨年度:40団体より計42賞)【来場者数】
日 付:7月20日(日)
天 候:雨(最高気温23℃)
対 象:こども~おとな
来場者数:7,382人 (昨年度:7,206人)フォトギャラリー
サイエンスデイAWARD2014表彰式・交流パーティー開催!受賞者決定!!
『学都「仙台・宮城」サイエンス・デイ』では、あなたが"よい"と思った出展プログラムに対して、お互いに自分の賞をつくって表彰し合う取組み「サイエンスデイAWARD」を行なっています。"よい"科学や技術とは、そもそも何か?そこにはさまざまな視点があります。サイエンスデイAWARDは、複眼的な視点から評価できるよう、個人・団体問わず誰でも賞を創設できることが、最大の特徴です。
サイエンスデイAWARD表彰式・交流パーティー2014開催報告はこちら
サイエンスデイAWARD 創設された賞・受賞者一覧はこちらご理解・ご協力を賜りました関係者の皆さまに心より感謝申し上げます。引き続き、皆様のご支援のほどよろしくお願い申しあげます。
開催趣旨
近年、我が国の科学技術研究および産業競争力の強化を実現する「科学技術創造立国」の基盤を揺るがす深刻な問題として、子どもたちの「理科離れ」が叫ばれています。「理科離れ」は単に「個人的に理科が嫌い」という問題ではなく、理科を学ぶ過程で本来養われるはずの「知的好奇心」や「論理的思考力」等の低下を意味しています。その結果として、文理問わず高等教育を理解できない学生が増大し、大学教育の質の維持が著しく困難に陥っているというかたちで問題は顕在化しており、もはや「理科離れ」問題は、国民全体による知の問題、すなわち社会的リスクであると捉えられています。
これらの社会的背景に、社会の細分化・複雑化に伴い、個々は専門家に任せ、表面だけを利用するブラックボックス化が進んだことがあります。その結果、わたしたちは効率性と引き換えに、本来そこにあるはずの自己と対象との関係性を実感することが困難な状況に陥っています。しかしながら本来、自己と対象との関係性の集積が、すなわち社会です。この自己と対象との関係性が見えない危機こそが、個人・地域社会・国レベルでの問題の本質的な原因とnatural science では捉え、そこから解決策を見出していきます。
自己と対象との関係性を実感しやすい範囲として、natural science は社会の中でも特に“地域”に着目します。自分が社会に与えている影響と自分が社会から受けている影響を実感できることで、人は自らの社会的存在意義を自覚し、主体的に活動することができます。このようなひとり一人の内発的モチベーションによる主体的なアクティビティーが、地域をつくり、そして社会全体をつくるドライビングフォースとなります。つまり“地域”こそが、社会をつくる基盤であると同時に、社会全体をつくる原動力として、大きな可能性を秘めているのです。
「科学」の本質は観察からはじまります。対象に直接触れ、自分の目で見て、自己と対象との関係性を五感で感じることなしに、知的好奇心・論理的思考力が養われることはありません。「科学」と言うと「科学は専門家だけが知っていればいい」と自己と科学との関係性を認識しようとしない風潮や、または成果ばかりが注目されがちですが、そこに至るまでのプロセスにこそ、知的好奇心や論理的思考力をはじめとする、科学的なものの見方・考え方、すなわち自己と対象との関係性を構築する姿勢が隠されています。
natural scienceでは、知的好奇心がもたらす心豊かな社会の創造にむけて、「科学」を切り口に、自己と対象との関係性の可視化・再構築の場として機能することを「科学で地域づくり」と位置づけ、日々の科学教育プログラムの開発・実施のほか、大学・研究機関や企業、行政・教育機関等と連携し、2007年から毎年、体験型科学イベント『学都「仙台・宮城」サイエンス・デイ』を開催しています。『学都「仙台・宮城」サイエンス・デイ』は、「“科学”って、そもそもなんだろう?」をテーマに、製品や成果等の“結果”だけでなく、科学や技術の“プロセス”を五感で感じられる場づくりを通じて、子どもから大人まで、各人各様の感じ方から自己と対象との関係性を可視化・再構築する場として機能することを目指すものです。
そもそも人間は生まれながらにして知ることを欲する存在です。そして生まれた創造物が共有されることは喜びです。この認識に立つ時、科学は人の本性に根ざすものとなり万人のものとなるでしょう。こうした共感の輪を生み出す循環こそが、人間の本来持つ内発的モチベーションがさらに発揮され、次、その次に登場する科学や技術が継続的に生み出され、わたしたちの心豊かな社会が達成されていく土壌となるはずです。
知的好奇心がもたらす心豊かな社会の創造に資することを願い、今年も『学都「仙台・宮城」サイエンス・デイ』を開催いたします。皆さまのご理解・ご協力・ご参加を、心よりお待ち申し上げております。
特定非営利活動法人 natural science
企画概要
〜科学のプロセスを五感で感じる ・ 科学で地域が見える〜
社会の成熟化に伴い、科学や技術はブラックボックス化し、わたしたちは便利さと引き換えに、科学や技術の“プロセス”を五感で感じる機会を失ってきました。しかしながら、科学や技術のもたらす“結果”のみを一方的に享受するだけの姿勢では、科学離れや科学リテラシー不足などの社会的リスクを回避することはできません。
一方で「仙台・宮城」は、「科学」という切り口で見ると、大学・研究機関、民間企業や行政・教育機関等が密集し、研究者や技術者等が日々、研究・開発等の活動を行う、わたしたち市民の生活と科学・技術が隣り合わせで存在する、古くから「学都」と呼ばれる地域です。
この地域の特性を活かし、「科学って、そもそもなんだろう?」をテーマに、大人も子どもも、普段科学に触れている人も触れていない人も、科学や技術の背景にある“人”や“プロセス”を自らの五感で感じられる場として、『学都「仙台・宮城」サイエンス・デイ』を毎年開催します。
『学都「仙台・宮城」サイエンス・デイ』は、「科学」を切り口に地域を再発見し、関係性再構築の場として機能することで、知的好奇心がもたらす心豊かな社会の創造に資することを目指します。
ステップと期待する効果
ステップ① 科学の"プロセス"を体験
各出展団体の現場の"人"が「おもしろい」と思う"プロセス"を形にした体験型プログラムを通じて、普段なかなか実感できない"プロセス"を体感することで、子どもから大人まで各人各様の感じ方から自然な形で興味・関心が喚起される。
ステップ② 研究者や技術者等の現場の"人"との対話
各出展団体の現場の"人"が「おもしろい」と思う"プロセス"を形にした体験型プログラムを通じて、普段なかなか実感できない"プロセス"を体感することで、子どもから大人まで各人各様の感じ方から自然な形で興味・関心が喚起される。
ステップ③ 年間を通じた科学イベントへの参加
本企画の"見本市"的な特徴を活かし、「学都仙台・宮城サイエンスコミュニティ」会員登録により、各出展団体が開催する一般むけ科学イベント(一般公開や市民むけ講座など)情報を市民へ直接的・継続的に配信できるシステムをつくることで、年間を通じて市民が科学に触れられる機会を増やす。
ステップ④ 生活の中で関連事項と遭遇
本企画は地域資源で構成されているため、本企画終了後も、市民が普段の生活の中で関連事項と遭遇する機会は多い。これまで何気なく利用していた製品や成果等の"結果"を見ても、本企画をきっかけに"プロセス"があることを想像でき、興味・関心が継続し、身近に感じられる効果が期待される。
ステップ⑤ 毎年恒例イベントとして参加
毎年開催により認知度は高まりつつあるが、今後も地道に連携機関を増やし、地域の毎年恒例イベントとして定着化を図ることで、科学・技術に興味・関心のある人から、普段は科学イベントにあまり参加しない人まで、幅広い層が科学・技術を楽しむことができる場を地域に創出していく。
ステップ⑥ お互いに応援し合うコミュニティへ
各主体の取組みについて、各主体や市民がお互いに応援し合ったり、表彰し合えるしくみ(サイエンスデイAWARD等)をつくることで、相互理解を深めながら誰もが主体的に科学に参加できる持続可能な『学都「仙台・宮城」サイエンスコミュニティ』の構築を目指していく。
今年の新しいポイント
皆様からのご要望・ご意見などを反映した、今年の新しいポイントは下記の通りです。
■「サイエンスマップ」に科学イベント情報を掲載(全県の小中学校に約20万部配布)
『学都「仙台・宮城」サイエンスマップ』(県内の全公立小・中学校、並びに出展高校等に全児童・生徒分の約20万部配布予定)に、7月以降に開催される科学イベント等の情報を掲載することができます。
■サイエンスコミュニティ市民会員に、イベント終了後も直接的・継続的に情報発信
本イベント終了後も、『学都「仙台・宮城」サイエンスコミュニティ』市民会員(2013年度:約2,000人登録)に、7月以降に開催される科学イベント情報を、直接的・継続的に情報発信できるWEBシステムを利用できます。
開催概要
- 名 称
- ①学都「仙台・宮城」サイエンス・デイ 2014
②サイエンスデイAWARD2014表彰式・交流パーティー - 日 時
- ①2014年7月20日(日) 9:00~16:00
②2014年7月25日(金)13:00~表彰式、16:30~交流パーティー - 会 場
- ①【メイン会場】東北大学川内北キャンパス 講義棟 (宮城県仙台市青葉区川内41)
①【サブ会場】東北大学カタールサイエンスキャンパスホール(宮城県仙台市青葉区荒巻字青葉6-6)
②東北大学カタールサイエンスキャンパスホール(宮城県仙台市青葉区荒巻字青葉6-6)会場となる東北大学内に、駐車場はございません。 路上駐車場及び周辺施設への駐車は、固くお断りいたします。 ご来場の際には、公共交通機関をご利用ください。
- アクセス
- 仙台駅からのアクセス
※メイン会場からサブ会場までは無料巡回バスあり
無料巡回バスの運行予定・注意事項はこちらのPDFをご覧ください。 - 主 催
- 特定非営利活動法人 natural science (2007年6月設立)
- 共 催
- 東北大学、独立行政法人 産業技術総合研究所 東北センター、宮城県、仙台市教育委員会、仙台高等専門学校、特定非営利活動法人 物理オリンピック日本委員会、国際ナノ・マイクロアプリケーションコンテスト(iCAN'14)世界大会、東北大学カタールサイエンスキャンパス
- 協 賛
- 株式会社ユーメディア、一般財団法人みやぎ産業科学振興基金、株式会社リコー(来場者自動受付システム「いるか君」)
- 後 援
- 仙台市、宮城県教育委員会、東北経済産業局、 東北学院大学、東北工業大学、公益社団法人応用物理学会東北支部、一般社団法人東北経済連合会、一般社団法人みやぎ工業会、学都仙台コンソーシアム、仙台 商工会議所、 公益財団法人東北活性化研究センター、仙台管区気象台、独立行政法人理化学研究所、仙台市PTA 協議会、宮城県中小企業団体中央会、公益社団法人日本技術士会東北支部、 一般社団法人宮城県発明協会、NHK仙台放送局、東北放送、 東日本放送,仙台放送、ミヤギテレビ、 DateFM、 河北新報社、 読売新聞東北総局、産経新聞社東北総局、 朝日新聞仙台総局、 毎日新聞仙台支局、日刊工業新聞仙台総局、 共同通信社仙台支社
- 協 力
- TEDxTohoku 、東北大学S-Cafe Sugars
- 入 場 料
- 無料
- 来場対象
- こどもからおとなまでどなたでも
- 来場見込
- 約8,000人(2013年実績:7,206人)
- 出展費用
- 無料(ただし出展に関わるその他の費用はご負担下さい)
- 出展募集
- 約100プログラム
- お問合せ
- 特定非営利活動法人 natural science 事務局 大草芳江
〒980-0023 仙台市青葉区北目町4-7 HSGビル4階 Five Bridge 内
Tel.022-721-2035
URL http://www.natural-science.or.jp/
お問合せフォームはこちら - 備 考
- 独立行政法人 科学技術振興機構(JST)「ネットワーク形成地域型」採択事業
(提案機関:宮城県、 運営機関:特定非営利活動法人 natural science)
応援メッセージ
掲載順序は到着順です
宮城県知事 村井 嘉浩 さん
『学都「仙台・宮城」サイエンスデイ2014』の御開催,誠におめでとうございます。
私たちの生活は,科学や技術の進化により,日々便利になってきています。そして身の回りにあるモノや現象は,当たり前に存在するものとして見聞きしてしまいがちです。しかし,その成り立ちにはいくつかのプロセスがあり,そのプロセスを体感しようというテーマで始まった『学都「仙台・宮城」サイエンスデイ』は今年で8年目を迎えました。県内の大学・研究機関,関連企業の皆さんの御協力の下,子どもから大人までが,楽しみながらプロセスを五感で体験できるなど,科学や技術を身近に感じられる絶好の機会として定着しつつあります。ぜひ,この体験を通して,科学技術への理解を大いに深めていただきたいと思います。
本県は,震災からの復興に向け,県民一丸となって取り組んでいるところですが,このイベントに多くの企業様や県民の皆さんが参加され,宮城,東北を元気にするイベントになることを心から期待します。
仙台市教育委員会 教育長 上田 昌孝さん
このたびの『学都「仙台・宮城」サイエンスディ2014』の開催は誠に意義深く, 心よりお祝い申し上げます。
東日本大震災を通して,私たちは改めて命の大切さ,家族の尊さ,人とのつながり, 自然とのかかわりについて深く考えさせられました。そして,その後の被災地が着実に復興へ向かう姿に,自分たちの生活を見つめ直し,そこに立ち止まることなく未来を切り開いていこうとする人々の逞しさや偉大さ強く感じています。
これから復興や未来の社会の担い手となるみなさん,自然と人間が共生していくときに科学を学び,様々な事象を科学的に理解することは重要な意義があります。この企画はふだんなかなか見ることができない科学や技術を五感で体感できる絶好の機会です。さらに,その最先端の科学や技術に取り組んでいるのは地元仙台・宮城の大学・研究機関・企業の研究者や技術者の皆さんです。その方々の研究に対する情熱や生き方にも直接触れることができる機会にもなります。
みなさんの興味や関心そして夢を,大きく育てていってほしいと願っています。
スリーエム仙台市科学館 館長 石井 鉄雄 さん
私たちが今、地球という星の上で生まれ、暮らしているということは多くの人が知っていると思います。でも、それではその地球はどのようにしてできたのか、地球の中心部はどうなっているのか、深い海の底にはどんな生き物がいるのか、大昔に反映した恐竜はどうして滅びてしまったのか、そもそも、私たちの体はどのようにして生まれて成長しているのか、少しずつわかってきていることもありますが、多くの部分はまだまだわかっていません。そして、科学に携わる多くの人たちが、これらの謎を少しでも明らかにしようと今も努力を続けています。また、私たちの暮らしを少しでもより良く、便利にしようと多くの技術者の人たちが頑張っています。
『学都「仙台・宮城」サイエンスデイ』では、普段はなかなか見ることのできない科学や技術を実際に見て、触れてみることで、その面白さ、大切さを知ることができます。私どもスリーエム仙台市科学館は、科学の役割をわかりやすく伝えるという同じ目的を持つ仲間として、この催しを心から応援しています。
東北大学 理事(産学担当) 進藤 秀夫 さん
昨年7月の週末、東北大学着任のため引っ越してきた日が、ちょうどサイエンスデイ2013の開催日でした。宿舎から目の前の東北大学川内キャンパスが、このイベントに集う若い人達で驚くほど賑わっていたことを印象深く覚えています。古来から、「占星術」や「錬金術」のように、人々は自然の現象や事物から意味を読み取り、生活の役に立てようとしてきました。時を経てこうした営みが「天文学」や「化学」として精緻化され、幅広い「科学技術」へと体系化され、経済成長や社会課題解決、イノベーションの主要な手段として重用されるようになるにつれて、科学技術の体系は一見複雑でとっつきにくいものとなってしまってきているようです。しかしながら、現在もなお自然界には「なぜこんなことが起こるのか?」という謎があり、多くの若者が、「どうすればその謎が解けるのか?」とか「どうすれば人間社会で再現したり活用したりできるのか?」といった挑戦を繰り広げてきました。その「好奇心」こそが科学技術の出発点といっても過言でないと思います。今年、サイエンスデイ2014にお越しになる子供たちや若者たち、そしてご父兄の方々にとって、このイベントが、新たな「謎」や「好奇心」を呼び起こし、科学技術の魅力を示してくれるようなものとなることを期待しています。
国立仙台高専 校長・国立高専機構 理事・東北大学名誉教授 内田 龍男 さん
ここ仙台・宮城の地は、古くから「学都」として知られる学問の盛んな地域です。それに関連する大学を始めとしたさまざまな機関がたくさんありますが、これまでサイエンスに対する組織的な取組みは必ずしもできていませんでした。このような背景のもと、学都「仙台・宮城」サイエンス・デイが2007年にNPO法人natural scienceによって始められ、その後毎年開催されてきました。昨年2013年に、これをさらに発展させたいという趣旨で、研究・教育機関や文化施設、行政・経済団体まで加わって、既存の枠を超えた幅広い組織として学都「仙台・宮城」サイエンスコミュニティが設立され、仙台・宮城サイエンス・デイを主要な活動の一つとして継承しています。今後ますます科学・技術の重要性が増していく中で、若い世代から高年層まで幅広い年齢層にわたる人々がサイエンスを理解し、親しみを持っていただきながら、我が国の将来を担う人材を地域全体で育成していく文化をつくりあげていくことは、大変意義深いことだと思います。
今年もこれまで以上に活発な、楽しんでいただけるサイエンス・デイを目指しています。関係者の皆様のご支援、ご鞭撻をよろしくお願いいたします。
独立行政法人 産業技術総合研究所東北センター所長 三石 安 さん
今年も7月のサイエンス・デイ開催にむけて準備を始める時期になりました。私の所属する産業技術総合研究所(産総研)は、日本のものづくり産業の振興に役立つ研究開発を行っている公的な研究機関ですが、科学技術への関心を持つ人が多くなってくれると、産総研の活動を理解してくれる皆さんが増えることにつながるので、この催しが始まった当初からお手伝いをしています。
研究や技術開発が成功するには、いろいろなことに好奇心を持ち、疑問の解消にむかって粘り強く考え抜くが人が必要ですが、そういう人は子供のころから科学や技術に興味をもち、それをずっと維持して勉強を続けてくれる人でもあります。サイエンス・デイのプログラムでは、普段はあまり会うことのできない研究者や技術者と、一般の人たち、特に若い人達が対話できる場を用意するとともに、体験型の科学プログラムもたくさん用意しています。普通のひとが、科学や技術に対する理解を独力で深めることはなかなか難しいことですので、ここでの出会いをきっかけに、これまでなんとなく抱いていた科学や技術に対する疑問や興味を呼び覚まし、一人でも多くの皆さんの知的好奇心が刺激されることになれば大変うれしいことです。技術はこれからもどんどん進歩し、中身がますます複雑になっていくと思いますが、サイエンス・デイの催しが科学技術を的確に理解・評価し、快適な生活のために技術を使う能力を身につけるきっかけになれば本当に素晴らしいことだと思います。
仙台市天文台 台長 土佐 誠 さん
『学都「仙台・宮城」サイエンスデイ2014』の開催おめでとうございます。8年目を迎えますますのご発展、大変うれしく思います。仙台・宮城の夏の風物詩・イベントというとまず「仙台七夕まつり」がありますが、新たに「サイエンスデイ」が加わったようです。科学・技術は、その役に立つ成果に目を奪われがちですが、科学・技術を学ぶ者にとって、その本当の面白さや価値は、成功も失敗もあわせて、科学・技術のプロセスにあると思います。「サイエンスデイ」は、科学や技術のプロセスを五感で感じられる体験型イベントということで、科学・技術の本質に触れることのできるよい機会です。人類の科学・技術は科学者や技術者だけのものではありません。それらを根底で支えているのは、市民や社会の「科学力・技術力」だと思います。「サイエンスデイ」で、科学者や技術者に負けずに科学・技術を楽しみ、「科学力・技術力」をアップしましょう。
経済産業省 東北経済産業局長 守本 憲弘 さん
この10年で日本人の生活習慣は大きく変わりました。固定電話が携帯電話になり、更に電話がメールやラインに、そして、スマートフォンやタブレットが紙に取って変わろうとしています。電車やバスの中ではスマホに見入る人が増えましたね。買い物も、どこからでもネットで出来るようになりました。テレビの部品を作っていた会社も今は小さなスマホ部品を作っています。
この背景には、電波の技術やインターネットの発達があり、更にその前に、宇宙の成り立ちに関係する量子力学や半導体の基礎となる物理化学の理論の積み重ねがありました。サイエンスデイは、日頃意識することのない皆さんの生活の土台を覗くチャンスです。ここでの体験から、普段の生活の中で「何故なんだろう。調べてみたい。」と感じる力が生まれ、皆さんが未来の社会を支え、変えていく洞察力へと育っていくことを期待しています。
一般社団法人 東北経済連合会 会長 高橋 宏明 さん
『学都「仙台・宮城」サイエンス・デイ2014』の開催、おめでとうございます。これまで東北では、大学や研究機関が行なっている優れた研究の成果を基礎に、産学が連携して数々のイノベーションを創造し、産業を振興して参りました。
東日本大震災から3年が過ぎた現在、東北放射光や重粒子線癌治療などの加速器を利用した科学施設を誘致して、最先端産業の集積を図り、東北の本格的な復興・再生を図る動きが進んでおります。
その大きな柱となるものが、「国際リニア・コライダー(ILC)」の東北への誘致です。このILCは、素粒子物理学の実験を行なう大型プロジェクトで、宇宙の起源の解明など多くのノーベル賞級の研究が行われることが期待され、世界で一箇所に造られることになっております。日本では最適地と公表された北上山地にILCが建設され、東北に国際研究都市が誕生する可能性があります。
そして、この施設で研究を行い、またその最先端技術を応用した関連産業を発展させていくのは、次世代を担う子供たちです。「サイエンス・デイ」が盛会に開催され、子供たちの科学技術への興味関心を高める機会となり、それが輝かしい未来に繋がることを大いに期待しております。