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サイエンスデイ2022

開催趣旨

 近年、我が国の科学技術研究および産業競争力の強化を実現する「科学技術創造立国」の基盤を揺るがす深刻な問題として、子どもたちの「理科離れ」が叫ばれています。「理科離れ」は単に「個人的に理科が嫌い」という問題ではなく、理科を学ぶ過程で本来養われるはずの「知的好奇心」や「論理的思考力」等の低下を意味しています。その結果として、文理問わず高等教育を理解できない学生が増大し、大学教育の質の維持が著しく困難に陥っているというかたちで問題は顕在化しており、もはや「理科離れ」問題は、国民全体による知の問題、すなわち社会的リスクであると捉えられています。

 これらの社会的背景に、社会の細分化・複雑化に伴い、個々は専門家に任せ、表面だけを利用するブラックボックス化が進んだことがあります。その結果、わたしたちは効率性と引き換えに、本来そこにあるはずの自己と対象との関係性を実感することが困難な状況に陥っています。しかしながら本来、自己と対象との関係性の集積が、すなわち社会です。この自己と対象との関係性が見えない危機こそが、個人・地域社会・国レベルでの問題の本質的な原因とnatural science では捉え、そこから解決策を見出していきます。

 自己と対象との関係性を実感しやすい範囲として、natural science は社会の中でも特に“地域”に着目します。自分が社会に与えている影響と自分が社会から受けている影響を実感できることで、人は自らの社会的存在意義を自覚し、主体的に活動することができます。このようなひとり一人の内発的モチベーションによる主体的なアクティビティーが、地域をつくり、そして社会全体をつくるドライビングフォースとなります。つまり“地域”こそが、社会をつくる基盤であると同時に、社会全体をつくる原動力として、大きな可能性を秘めているのです。

 そもそも「科学」の本質は観察からはじまります。対象に直接触れ、自分の目で見て、自己と対象との関係性を五感で感じることなしに、知的好奇心・論理的思考力が養われることはありません。「科学」と言うと「科学は専門家だけが知っていればいい」と自己と科学との関係性を認識しようとしない風潮や、または成果ばかりが注目されがちですが、そこに至るまでのプロセスにこそ、知的好奇心や論理的思考力をはじめとする、科学的なものの見方・考え方、すなわち自己と対象との関係性を構築する姿勢が隠されています。

 natural scienceでは、知的好奇心がもたらす心豊かな社会の創造にむけて、「科学」を切り口に、自己と対象との関係性の可視化・再構築の場として機能することを「科学で地域づくり」と位置づけ、日々の科学教育プログラムの開発・実施のほか、大学・研究機関や企業、行政・教育機関等と連携し、2007年から毎年、体験型科学イベント『学都「仙台・宮城」サイエンス・デイ』を開催しています。『学都「仙台・宮城」サイエンス・デイ』は、「“科学”って、そもそもなんだろう?」をテーマに、製品や成果等の“結果”だけでなく、科学や技術の“プロセス”を五感で感じられる場づくりを通じて、子どもから大人まで、各人各様の感じ方から自己と対象との関係性を可視化・再構築する場として機能することを目指すものです。

 そもそも人間は生まれながらにして知ることを欲する存在です。そして生まれた創造物が共有されることは喜びです。この認識に立つ時、科学は人の本性に根ざすものとなり万人のものとなるでしょう。こうした共感の輪を生み出す循環こそが、人間の本来持つ内発的モチベーションがさらに発揮され、次、その次に登場する科学や技術が継続的に生み出され、わたしたちの心豊かな社会が達成されていく土壌となるはずです。

 新型コロナウイルス感染症の影響でやむなく中止となった一昨年、“ニューノーマル時代におけるサイエンスコミュニケーションの見本市”と位置付け初のオンライン開催となった昨年。環境変化に適応することで得られた知見やノウハウ、多様性がさらなる発展の原動力となり、知的好奇心がもたらす心豊かな社会の創造に資することを願って、16回目を迎える今年の『学都「仙台・宮城」サイエンス・デイ』は、3年ぶりに東北大学を会場にしてリアル開催いたします。皆さまのご参加を心よりお待ち申し上げております。

特定非営利活動法人 natural science
大草 芳江


企画概要

科学のプロセスを子どもから大人まで五感で感じる日

五色のサイエンスの文字は、「五感で感じること」と「科学の多面性」を表しています。また黒箱は、「ブラックボックスを開けること」と「多様な主体が一堂に集う場」を表しています。

 社会の成熟化に伴い、科学や技術はブラックボックス化し、わたしたちは便利さと引き換えに、科学や技術の“プロセス”を五感で感じる機会を失ってきました。しかしながら、科学や技術のもたらす“結果”のみを一方的に享受するだけの姿勢では、科学離れや科学リテラシー不足などの社会的リスクを回避することはできません。

 一方で、ここ仙台・宮城は、「科学」という切り口で見ると、大学・研究機関、民間企業や行政・教育機関等が密集し、研究者や技術者等が日々研究・開発等の活動を行い、わたしたち市民の生活と科学・技術が隣り合わせで存在する、古くから「学都」と呼ばれる地域です。

 この地域の特性を活かし、「科学って、そもそもなんだろう?」をテーマに、大人も子どもも、普段科学に触れている人も触れていない人も、科学や技術の背景にある“人”や“プロセス”を自らの五感で感じられる場として、『学都「仙台・宮城」サイエンス・デイ』を毎年開催します。

 『学都「仙台・宮城」サイエンス・デイ』は、「科学」を切り口に地域を再発見し、関係性再構築の場として機能することで、知的好奇心がもたらす心豊かな社会の創造に資することを目指します。

ステップと期待する効果

ステップ① 科学の"プロセス"を体験

 各出展団体の現場の"人"が「おもしろい」と思う"プロセス"を形にした体験型プログラムを通じて、普段なかなか実感できない"プロセス"を体感することで、子どもから大人まで各人各様の感じ方から自然な形で興味・関心が喚起される。

ステップ② 研究者や技術者等の現場の"人"との対話

 喚起された興味・関心は各人 各様であり、それぞれの人が「知りたい」と思うところから、研究者や技術者等の現場の“人” との対話を通じて、各自が興味・関心を深めることができる。

ステップ③ 生活の中で関連事項と遭遇

 本企画は地域資源で構成されているため、本企画終了後も、市民が普段の生活の中で関連事項と遭遇する機会は多い。これまで何気なく利用していた製品や成果等の"結果"を見ても、本企画をきっかけに"プロセス"があることを想像でき、興味・関心が継続し、身近に感じられる効果が期待される。

ステップ④ 年間を通じた科学イベントへの参加

 本企画の"見本市"的な特徴を活かし、「学都仙台・宮城サイエンスコミュニティ」会員登録により、各出展団体が開催する一般むけ科学イベント(一般公開や市民むけ講座など)情報を市民へ直接的・継続的に配信できるシステムをつくることで、年間を通じて市民が科学に触れられる機会を増やす。

ステップ⑤ 毎年恒例イベントとして参加

 毎年開催により認知度は高まりつつあるが、今後も地道に連携機関を増やし、地域の毎年恒例イベントとして定着化を図ることで、科学・技術に興味・関心のある人から、普段は科学イベントにあまり参加しない人まで、幅広い層が科学・技術を楽しむことができる場を地域に創出していく。

ステップ⑥ お互いに応援し合うコミュニティへ

 各主体の取組みについて、各主体や市民がお互いに応援し合ったり、表彰し合えるしくみ(サイエンスデイAWARD等)をつくることで、相互理解を深めながら誰もが主体的に科学に参加できる持続可能な『学都「仙台・宮城」サイエンスコミュニティ』の構築を目指していく。

ステップ⑦ 科学と社会をつなぐ優れた方法論を共有

 サイエンス・デイ オブ ザ イヤーの審査を通じて、科学と社会をつなぐ優れた方法論を発見し、地域で共有化するしくみをつくることで、次なる創造へとつなげていく。

今年の新しいポイント

● サイエンス・デイのチラシ裏面に、科学イベント情報を掲載できます
 (県内の全公立小中学校並びに出展高校等に約23万部を学校配布予定) 

 今年下半期に開催される科学イベント情報を一元的にまとめた『学都「仙台・宮城」サイエンスマップ~科学イベント編~』を、今年度もサイエンス・デイのチラシ裏面(県内の全公立小・中学校及び出展高校等に全児童・生徒分の約23万部を6月下旬~配布予定)を活用して作成し、学校配布します。科学イベント情報掲載ご希望の方は、natural science までご連絡ください。

● 科学イベント情報告知・申込・受付自動化システムを利用できます
 (学都「仙台・宮城」サイエンスコミュニティ会員:約2万5千人) 

 『学都「仙台・宮城」サイエンスコミュニティ』の個人会員(約2万5千人) むけに、各団体が年間を通じて開催している科学イベント情報を告知し、 申込・受付を自動化できるWebシステムを利用できます(無料)。 ご希望の方は、本コミュニティのWebサイトからお申し込みください。



● 「光」ゾーンを新たに設けて“光”に関するミニブース出展を募集し、光の波長ごとに並べる今年初の試み

 サイエンス・デイでは、「科学・技術の地産地消」と銘打ち、地域の多様な科学のプロセスを可視化・共有化できる場づくりの一環として、非専門家でも科学・技術を俯瞰しより深く理解できる方法論の開発・実践に取り組んでいます。2014年度からは、“光(電磁波)”を切り口に、地域の科学・技術を可視化する『学都「仙台・宮城」サイエンスマップ光編』を毎年作成し、サイエンス・デイ来場者並びに関係各位からご好評いただいております。さらにサイエンス・デイ2018では新たな試みとして、より深い理解へと導く場づくりを目指し、『学都「仙台・宮城」サイエンスマップ光編』を実際に五感で体験できる“リアル版”として、“光”に関するミニ出展ブースを募集します。光速(c)にかけて会場の講義棟C棟1階(来場者数が最も多いエリア)に“光”ゾーンを新設し、電磁波の波長ごとに光に関する展示品を並べる予定です。来場者は『学都「仙台・宮城」サイエンスマップ光編』を片手に、“光”ゾーンをまわることで、より理解を深めていただくという趣向です。なお、本企画については、一部屋になるべく多くの“光”に関する展示品を並べることで俯瞰した理解をねらいとするため、1出展あたりの展示スペースは机1、2個程と小さく、説明人員も必須ではありません。通常出展とリンクしたW出展もより深い理解につながるため歓迎します。光に関わる研究・開発をされている方はぜひお申込みください。


● 出展者は自動的にエントリー。確実に審査を受けたい方は自己推薦書の提出を。

 サイエンス・デイでは、科学・技術を社会・一般に伝える優れた方法論を審査・表彰によって可視化・共有化することを目的として、「サイエンス・デイ オブ ザ イヤー」を2016年度から実施しています。サイエンス・デイの出展者は自動的にエントリーされますが、審査員による審査を確実に受けたい方、及び出展の意図を確実に伝えたい方は、出展申込書とは別に所定の自己推薦書を2019年6月28日(金)までにメールで提出してください。(提出先:info@natural-science.or.jp)

開催概要

名  称
①学都「仙台・宮城」サイエンス・デイ 2022(第16回)
②サイエンスデイAWARD2022表彰式
③サイエンス・デイ オブ ザ イヤー2022 表彰式
日  時
①2022年7月17日(日) 9:00~16:00 ※2022年7月16日(土)会場設営準備 ②2022年7月22日(金)15:00~17:00予定 (創設された賞数により決定) ③2022年8月中旬で調整中
会  場
①東北大学川内北キャンパス 講義棟 (仙台市青葉区川内41)等
②調整中
③調整中
主  催
特定非営利活動法人 natural science (2007年6月設立)
共  催
(申請中)
東北大学、国立研究開発法人産業技術総合研究所東北センター、東北大学多元物質科学研究所、仙台市教育委員会、仙台高等専門学校、東北工業大学、公益社団法人応用物理学会東北支部、一般社団法人日本物理学会東北支部、一般社団法人電子情報通信学会東北支部、公益社団法人日本金属学会東北支部、東北大学知の創出センター
後  援<
文部科学省、内閣府知的財産戦略推進事務局、宮城県、仙台市、宮城県教育委員会、国立研究開発法人科学技術振興機構、東北経済産業局、 一般社団法人東北経済連合会、公益財団法人東北活性化研究センター、国立研究開発法人理化学研究所、東北工学教育協会、国立研究開発法人宇宙航空研究開発機構、仙台管区気象台、学都仙台コンソーシアム、 東北学院大学、宮城大学、東北生活文化大学、一般社団法人みやぎ工業会、宮城県中小企業団体中央会、公益財団法人みやぎ産業振興機構、一般社団法人宮城県発明協会、仙台市PTA 協議会、仙台商工会議所、仙台経済同友会、一般社団法人情報処理学会東北支部、一般社団法人映像情報メディア学会東北支部 、公益社団法人石油学会東北支部、一般社団法人日本光学会、公益社団法人日本技術士会東北支部、 公益社団法人 日本磁気学会、公益社団法人日本天文学会、公益社団法人日本水産学会東北支部、一般社団法人照明学会東北支部、公益社団法人土木学会東北支部、一般社団法人日本建築学会東北支部、公益社団法人日本生物工学会、一般社団法人日本機械学会東北支部、公益社団法人日本化学会東北支部、公益社団法人日本建築家協会東北支部、公益社団法人 計測自動制御学会東北支部、公益社団法人 空気調和・衛生工学会東北支部、日刊工業新聞社東北・北海道総局、産経新聞社東北総局、読売新聞東北総局、毎日新聞仙台支局、朝日新聞仙台総局、河北新報社、東北放送、仙台放送、東日本放送、NHK仙台放送局、ミヤギテレビ、エフエム仙台
入 場 料
無料
来場対象
こどもからおとなまでどなたでも
来場見込
約10,000人(2019年度実績:10,658人)
出展費用
無料(ただし出展に関わるその他の費用はご負担下さい)
出展募集
リアル会場での出展(講座プログラム型、体験ブース型)のほか、オンライン出展やハイブリッド出展も可能です
備  考
リアル開催可否や新型コロナウイルス感染症予防ガイドラインは会場提供元の東北大学の規定に基づきます。開催約2ヶ月前(5月頃)に、リアル開催の申請結果や、感染症予防ガイドラインの最新情報を公表いたします。
お問合せ
特定非営利活動法人 natural science 事務局 大草芳江
〒980-0023 仙台市青葉区北目町4-7 HSGビル7階
Tel.022-721-2035
URL http://www.natural-science.or.jp/
お問合せフォームはこちら

応援メッセージ

掲載順序は到着順です

宮城県知事 村井 嘉浩 さん

 第16回『学都「仙台・宮城」サイエンスデイ2022』が開催されますこと,心からお祝い申し上げます。
 科学技術の進歩により,人々の暮らしは日々便利になっていますが,私たちは,当たり前のものとして,その仕組みを十分に理解せずに利用してしまいがちです。こうした中『学都「仙台・宮城」サイエンスデイ』は,大学・研究機関,関連企業の皆様の連携,協力の下,子どもから大人までが,科学のプロセスを楽しみながら五感で体験できるイベントとして定着しています。
 このイベントに多くの企業や県民の皆様が参加され,科学技術への理解を深められるとともに,宮城,東北を元気にするイベントになることを心から期待します。

仙台市長 郡 和子 さん

 『学都「仙台・宮城」サイエンスデイ2022』の開催に当たり、心よりお喜び申し上げます。リアルでの開催は3年ぶりとのことで、この日を楽しみにしていた方も多くいらっしゃると思います。
 私たちのくらしは、さまざまな科学技術によって支えられていますが、普段の生活のなかでは、スマートフォンやスマート家電といった最新機器に触れることはあっても、こうした機器の背景にある科学技術を実感する機会は少ないのではないでしょうか。
 このサイエンスデイは、「科学って、そもそもなんだろう?」をテーマに、科学の魅力や営みを五感で感じ取る工夫が随所に凝らされています。本イベントが、子供から大人まで、人々の知的好奇心を刺激し、科学技術への興味を呼び覚ますきっかけをもたらしてくれることは大変喜ばしく、まさに学都仙台で開催されるにふさわしいイベントであると考えております。この度の開催に当たり、ご協力をいただいた大学・研究機関や企業の皆様に、深く感謝申し上げます。
 本市の学校教育の現場でも、1人1台の情報端末の整備が完了し、情報活用能力の育成やプログラミング教育など、ICTを活用した学校教育を進めているところです。日頃慣れ親しんでいる機器がどのような原理で動いているのか、科学の基本的な法則を知ることは、子供たちの学びの視野の広がりにも大いに繋がっていくことでしょう。
 本イベントをきっかけに,科学技術に興味を持つ方が増え,今後の学都仙台を担う人材が育っていくことを期待しております。

東北大学総長 大野 英男 さん

 本年も学都「仙台・宮城」サイエンス・デイ2022が開催されますことを大変嬉しく思います。
 今年で16回目を迎えるサイエンス・デイは、昨年、初めてのオンライン開催となりましたが、対面開催時と同様に約1万人の参加があり、多くの市民の皆さまにお越しいただく「学都仙台」を象徴する夏の催しとなっています。
 今回も地域の大学、研究機関、企業のご協力の下、例年にも増して充実した「科学」を五感で感じることができるプログラムが多数用意されています。
 私ども東北大学も日本を代表する総合研究大学として、科学の力で豊かな未来社会を実現するため、様々な挑戦をしています。今回もいくつかのプログラムで本学の挑戦の一端をご紹介しておりますので、ご覧いただければ幸いです。
 本イベントを通して一人でも多くの市民の皆さんが「科学」に触れ、科学への興味・関心が増進するきっかけとなることを願っています。

国立研究開発法人産業技術総合研究所 東北センター 所長 蛯名 武雄 さん

 皆さんは、友達に自分のことをもっとよく知ってもらいたいと思っていますよね。相手に分かりやすいように、受け入れられるように『そだねー』って話すでしょ。また、自分がどう考えているかも知ってもらいたいと思っていますよね。科学の本質はそこにあると思います。科学の本質は「もっといろいろなことを分かりあいたいという思い」です。もっと細かいことを分かりあおうとすると科学で用いられている方法を使うことになります。それらは、私たちが生まれながら持っている能力です。お話ししたり文章に残したりするなどして、結果としてより多くの人々が受け入れた観察結果や考え方がより確からしいものとして広がっていき、残っていきます。
 (研究者と呼ばれている)大人も、学生も、皆さんも同じプロセスで自分を分かってもらおうとしているのです。今日皆さんがサイエンス・デイで体験する出来事の一つ一つが友達を作り、明日の科学を形作っていくのです。皆さんの大発見を期待しています。

株式会社 メムス・コア CTO 江刺 正喜 さん

 多くの家族連れが集まる学都「仙台・宮城」サイエンスデイがまた開催できるのを楽しみにしておりました。実際に見て体験したり専門家の話を聞いたりして興味を持てる、とても良い機会だと思います。私は仙台市の青葉台にある東北大学 西澤潤一記念研究開発センターに「近代技術史博物館」などの展示室を設置して実際に見て頂けるようにしていますが、今年の4月から「金属」(アグネ技術センター)という月刊誌に「エレクトロニクスを中心とした近代技術史」の10回連載 (通信、計算機、電子デバイス、集積回路、機能部品、電源と動力源、記録と印刷、撮像と表示、センサ、生体計測)を出しております。以前から「近代技術史」という集中講義をし、「宮城の新聞」にも出させて頂いてました。それぞれの時代に技術がどう関わってきたか、また原理などをテーマ間で関連させながら説明しています。また第二次世界大戦時に使われた暗号機エニグマや近接信管などを具体的に説明しました。是非ご覧いただければ嬉しく思います。

東北大学理事・副学長・知の創出センター長 小谷 元子 さん

 『学都「仙台・宮城」サイエンス・デイ2022 』の開催に当たり、心よりお祝い申し上げます。 私たちの身の回りには生活を便利にする機器であふれています。パソコン、スマートフォン、タブレット 等 の普及により世界中から様々な情報を瞬時に得られる時代になりました。 情報を簡単に得られるようになった反面、「なぜ?」と考えることが少なくなったように思われます。サイエンス・デイは、この「なぜ?」をとことん追求しながら、科学のプロセスを体験できる非常に貴重なイベントです。 大人から子どもまで多くの方が科学技術に触れ、興味をもっていただけるのではないのでしょうか。 これからの社会は A I (人工知能が一層普及 す るといわれています。 A I やその裏にあるサイエンスを理解することで、人間の知的活動はさらに広がります 。サイエンス・デイを通して、人間の知性の偉大さ 、 素晴らしさに気づき、知的好奇心 が 大いに刺激されることを期待しております。

日本物理学会東北支部長 木村 憲彰 さん

 『学都「宮城・仙台」サイエンス・デイ 2022』の開催を大変うれしく思います。サイエンス・デイは子供も大人も、専門家もそうでない人も分け隔てなく科学の面白さを発表しあう場です。私たちの身の周りにはたくさんの「なぜ?」「どうして?」があふれています。科学技術の進歩で多くのことが明らかになった現代でもまだわからないこと、知りたいことは尽きていません。普段当たり前だと思っていることでも、説明のつかない、よくわかっていないということはたくさんあります。すでに常識だと思っていたことも実は間違っていたなんてこともあるかもしれません。そんなことがらにふと立ち止まって考えをめぐらし、実験や観察によってそれを確かめ、何か新しいことが分かったときはたいへんうれしいものです。サイエンス・デイではそのような喜びに満ち溢れた場所となると期待しています。そしてまた来場される方々にとっては、出展者の皆さんの熱い思いに触れて大いに刺激を受ける絶好の機会になるのではないかと思います。

東北大学 多元物質科学研究所 所長 寺内 正己 さん

 私たちの日々の生活の中で「なんでだろう?」と思うことはありませんか?人それぞれの顔、身長、性格、考え方が違うように、人それぞれ違った「なんでだろう?」があるはずです。自分にとっての「なんでだろう?」を見つける事はとても大切です。学校も会社も楽しくなるはずです。誰も答えを知らない「なんでだろう?」を見つけられたら、あなたは研究者です。サイエンスデイに参加した子供たちが、自分の「なんでだろう?」を見つけて目を輝かせいている、そんなサイエンスデイであることを期待します。

国立仙台高等専門学校 校長 澤田 惠介 さん

 サイエンスの発展は長らく実験と理論が牽引してきましたが、近年はこれらに加えてコンピュータを用いたシミュレーション、すなわち計算科学が第3の研究手法として大きな役割を果たしています。物理現象を記述する方程式をコンピュータで数値的に解く計算科学はサイエンスとエンジニアリングの両分野で重宝されていますが、特にサイエンスでは物理のプロセスを分解して理解を深めたり、まだ知られていない現象をコンピュータで見出すところに計算科学の醍醐味があります。しかも、皆さんの手持ちのノートPCでも結構凄い研究が出来てしまうのです。コーヒーショップにノートPCを持参してサイエンスに没頭する若き科学者、なんて映画の中に出てくるようなシーンをリアルに演じることも決して夢ではありません。難しい理屈は後回しにして、サイエンス・デイではぜひ計算科学によるサイエンス研究にも挑戦して欲しいと願っています。

公益社団法人応用物理学会東北支部長 百生 敦 さん

 『学都「仙台・宮城」サイエンスデイ2022』が開催されますこと、心よりお祝い申し上げます。新型コロナ蔓延でさまざまな行事が制限されてきましたが、3年ぶりとなる対面での開催が企画されていることを聞き、うきうきした気持ちで大変喜んでおります。主催団体であるnatural scienceの大草理事をはじめ、ご関係諸氏の熱意とご努力にあらためて敬意を表します。我々応用物理学会では、物理を社会に役立てるために様々な分野の研究者が熱心に交流を重ねています。その原動力の源は、子供のころに抱いた知的好奇心にあるはずです。今の子供たちも「なぜ?・どうして?」とおおいに感じてほしいし、大人たちもそのための環境をできるだけ多くの場面で整えるべきです。ただ、便利さにあふれた現代社会では、却って思考が停滞している自分に気づくこともあります。サイエンスデイの企画を通じて、科学はおもしろいと多くの人々が感じ、不思議や不便を楽しみ、また、工夫によってそれらを解決したいと思う心を育ててほしいと願っています。

東北生活文化大学 学長・東京藝術大学名誉教授 佐藤一郎 さん

 レオナルド・ダ・ヴィンチは、「絵画は、科学(サイエンス)である。」と述べ、「……、わたしは、あらゆる確実さの母である経験から生まれ、明らかな経験で終わらないような科学、つまり、始めか、中間か、終わりかが、五感のいずれかを通過しないような科学は、空虚で誤りに満ちているように思われる。……」と続けています。このような人間の感覚を通した体験にもとづく科学の本質は、『サイエンスデイ2022』に集まり、楽しむ、みなさんたちにこそ宿っているように見えます。
 絵画は、目という感覚器官を通して見た世界を二次元の平面に表現することです。それには、光の存在によって、ありとあらゆる色彩をともなった対象物を感知できるのです。この場合の光とは、赤、橙、黄、緑、青、紫といった色光の集合体である可視光線(白色光線)です。現代では、赤外線、紫外線、X線などの電磁波を使って、絵画の自然科学的調査が行われています。どのような絵画材料と絵画技術で描かれているのか、500年前のダ・ヴィンチにおいても、かなり詳細に解明できるようになってきました。絵画を自然科学的調査研究する人材が育つことを期待しております。

東北大学名誉教授・仙台高等専門学校名誉教授 内田 龍男 さん

 ここ仙台・宮城の地は、古くから「学都」として知られる学問の盛んな地域です。それに関連する大学を始めとしたさまざまな機関がたくさんありますが、これらの多くの機関と連携して、NPO法人 natural scienceが学都「仙台・宮城」サイエンス・デイを2007年に立ち上げられました。その後毎年の開催で年を経るごとに出展者も参加者も増加の一途をたどり、今では毎年の一大定例行事となりました。若い世代から高年層まで幅広い年齢層にわたる人々がサイエンスを理解し、親しみを持っていただきながら、我が国の将来を担う人材を地域全体で育成していく文化をつくりあげていくことは、大変意義深いことだと思います。
 新型コロナウイルスのために一昨年は中止となりましたが、昨年はオンラインがおこなわれて、natural scienceの方々をはじめ多くの発表団体の方々のご努力のおかげで大変有意義なサイエンス・ディが行われました。今年はその特長を加えて現場での発表が行われる予定で、さらなる発展が大いに期待されます。

宮城大学 理事長・学長 川上 伸昭 さん

 今年は3年ぶりにサイエンス・デイがリアル開催になるとのこと、大変喜ばしくお祝い申し上げます。
 この二年間、社会は新型コロナウイルス感染症の蔓延に見舞われましたが、それはコロナが社会や個人に与えるリスクと向き合った時間でもありました。私たちの身の回りには多くのリスクがあり、私たちはリスクとそれを冒すことで得られるベネフィットを天秤にかけて生活をしています。コロナについても、感染のリスクがあるからといってじっと一人きりでとどまっていることもできません。科学の知識や科学的なものの考え方は多くの場面でリスクを適切に評価し、リスクを避けながらベネフィットを得る行動を選択することに役立ちます。こういった意味でも、サイエンス・デイの活動により多くの人々が参加することに期待をしています。より多くの人々が参加し、盛況な催しとなることを祈念しています。

東北工業大学 学長 渡邉 浩文 さん

 『学都「仙台・宮城」サイエンス・デイ2022』が開催されますことを、心からお祝い申し上げます。
 新型コロナウィルス感染症対応も3年目を迎え、感染予防と突発事態に十分留意しつつ日常を送るニューノーマルの定着が求められてきています。対面で「五感で体験する」イベントに勝るものはないとは言え、仮にオンラインに切り替わったとしても、視聴覚に特化したりリモートワークを組み合わせたりと、創意工夫を図ることが大切なのだと思います。
 伝統ある科学イベント:サイエンス・デイだからこそ、困難に対しても冷静に理性的に対処しつつ、イベントそのものは子供から大人まで楽しめる、ニューノーマルを先駆するイベントになってほしいと期待しています。

東北大学 副学長(社会連携・研究評価担当)・未来社会技術共同研究センター長 長坂 徹也 さん

 科学技術の分野において、真の「独創性」を保証することは非常に難しいと思います。無から有を生み出すことはできず、全く実績がない場合や必要性がない状態から、急に前例のない奇想天外なアイデアや成果が生まれることは基本的にあり得ません。しかし一方で、我々はしばしば感動すら覚える新規な科学技術の成果に出会うことがあります。そこには多くの場合、基になる既存知見があり、これに対して独自の工夫が有効に作用したものが独創性が高いと評価されているようです。すなわち「創造的模倣」を行うことが独創性を発揮することにつながると言えるのではないでしょうか。例え良く知られた既存の知見であっても、幾つかを上手に組み合わせると、全く異なるものが出来る、全然違う利用法になる、等の新規性が生まれます。「創造的模倣」は単なる前例の物真似やちょっとした改善などではありませんので、決して簡単にできることではありませんが、サイエンス・デイが「創造的模倣」のとっかかりになる方が一人でも多く出てくれば、それだけでも大成功でしょう。コロナ禍で運営にご苦労されることと存じますが、例年以上のご盛会をお祈り申し上げます。

東北大学 大学院工学研究科長 湯上 浩雄 さん

 新型コロナウイルスの蔓延で、私たちの社会や日常生活は大きく変わりました。また、社会が変わっていく方向そのものは同じであっても、スピードが大きく上がった分野もあります。東日本大震災から11年がたち、暮らしが日常になったと思っていたら、また大きな波がやってき、その波はまだ収まる気配は有りません。しかし、新型コロナとの共存は、私たちを進化させる機会でもあります。いまこそ、サイエンスが社会とエンゲージすることが求められています。このためには、色々な世代の方が身近な科学技術に興味を持ち、「なぜ?」から始まる知的好奇心の芽を育む機会を提供することが大切です。
 16回 学都「仙台・宮城」サイエンス・デイを対面で開催できれば、2019年以来3年ぶりです。仙台・宮城から遠く離れた地域の方も参加しやすいなどオンラインの良さを生かしつつ、対面での対話を通してのサイエンスへの誘いは、何ものにも代えがたいものが有ります。令和4年度の仙台・宮城のサイエンス・デイを楽しんでいただければと思います。

特定非営利活動法人 科学協力学際センター代表理事、東北大学名誉教授 川添 良幸 さん

 サイエンス・デイは、私の東北大学理学部後輩大草芳江さんたちnatural scienceが16年前にたった1団体1ブースで始めたのです。杜の都仙台にはオリジナルが一杯あります。日本の水力発電発祥の地は三居沢です。金属材料研究所で発明された当時は「仙台の塵」と揶揄されたセンダストは記録媒体用材料のほぼ全てで使われています。太平洋戦争の敗因の一つとされる米軍による日本の無線暗号解読には、日本軍より先に電気通信研究所発明の八木アンテナが使われました。他にも沢山ありますので調べて見て下さい。年齢によらず誰でも参加でき賞も出せるサイエンス・デイは仙台発祥のオリジナルです(ノーベル賞をもらうのは夢ですが、ノーベル賞以上の賞を作れればもっと素晴らしい!)。コロナ禍の制限はありますが、今後とも発展し続け、国内外へと広がっていって欲しい素晴らしい企画です。

東北大学大学院理学研究科長 寺田 眞浩 さん

 自然はナゾに満ちています。そのナゾを解き明かすのがサイエンスです。ナゾ解きは難しいですが、その一端を解き明かしたときの瞬間-「わかった!」-は心震える感動を覚えます。それはサイエンスが「面白い」や「知りたい」といった純粋な好奇心や探求心に端を発した「知を求める」人の本質から生じているからです。日常のほんの小さな疑問「なんでだろう」が好奇心に火を灯し、探求心が揺さぶられることで「自然の理(ことわり)」を明らかにする流れが生まれ、やがて「知の創造」へと体系化されていくのです。皆さんが「なんでだろう」と思うことがサイエンスの原点であり、ナゾ解きに挑戦する第一歩になります。今回は3年ぶりとなる待望の現地開催を計画していると伺っていますが「サイエンスデイ2022」に参加することで好奇心や探求心が触発され、身の回りに起こっている不思議を感じ取り興味を持つことが、やがて未来の「知の創造」へとつながることを期待しています。

一般財団法人みやぎ産業科学振興基金理事長、東北大学名誉教授 伊藤 弘昌 さん

 学都「仙台・宮城」はこれまでに、世界が認める輝かしい偉業を数多く輩出してきた。初期の発明としてよく知られる八木・宇田アンテナ、岡部マグネトロン、センダストなどの1920-30年代のものは、そろそろ誕生100周年を迎える。その後の100年の間にも、世界トップの研究成果創出は枚挙に暇がない。毎年、年末のノーベル賞発表時に、受賞の期待される現役の研究者も数多くいる。この流れを引き継ぎ、さらに新たにするのが若い次の世代である。科学の楽しさ、面白さ、わくわく感を肌で感じてもらえるように工夫した「サイエンス・ディ」の催しは重要である。若い年代の人たちがこの催しに参加し、楽しく感じながら、将来ともに歩み始める人が一人でも多くなるよう期待したい。その企画運営は、情熱的に取り組む人たちに現在では支えられ活動するまでに育ってきたことに、敬意を表するとともに、その重大性は一層大きい。応援したい。

一般社団法人 東北経済連合会 会長 増子 次郎 さん

 『学都「仙台・宮城」サイエンス・デイ2022』の3年ぶりのリアル開催、誠におめでとうございます。
 東北経済連合会(以下「東経連」)では、宇宙誕生の謎に探る素粒子物理実験施設「国際リニアコライダー」(以下「ILC」)等、世界最先端の研究開発プロジェクトの実現に取り組んでいます。東経連では、2016年からサイエンス・デイにILCのブースを出展しています。今年もお子様にもILCに親しんで頂けるように、デジタルかるた等を準備してお待ちしています。ILCは、日欧米が中心に検討されている国際共同科学プロジェクトで、世界の研究者は、建設候補地に岩手県南部から宮城県北部にかけての北上サイトを希望しています。ぜひILCのブースにお越し、プロジェクトの意義をご理解頂きたく思います。「サイエンス・デイ」が盛会に開催され、子どもたちの科学技術への知的好奇心を高める機会となることを大いに期待しています。

一般社団法人電子情報通信学会 東北支部 支部長 陳 強 さん

 仙台・宮城の夏の風物詩である『学都「仙台・宮城」サイエンス・デイ』の開催、誠におめでとうございます。未だ新型コロナウイルスの影響がある中での準備と開催にあたっては大変なご苦労があったことと思います。今年は3年ぶりにリアル会場で開催されるとのこと、大変楽しみにしております。
 電子情報通信学会は1917年に創立された電信電話学会がその始まりであり、創立以来100 年を超える、非常に歴史のある学会です。本会は電子・情報・通信および関連する分野の国際学会として、光り輝く未来に向けた人材の育成に貢献することを目指しています。 2020年7月より主に小中高生を対象としたジュニア会員制度が始まりました。会費無料で会員になることができ、様々な特典が用意されています。 研究者の卵として、電子・情報・通信の研究分野における学会活動を体験したい小中高生はぜひ入会してください。
 サイエンス・デイに来場された皆さんが科学に触れて、新しい発見につながることを心より期待しています。

東北大学理事・副学長(企画戦略総括) 副学長 青木 孝文 さん

 実は、私は子供のころから現在に至るまで、サイエンス・フィクション(SF)、特に、ハードSFが好きです。ハードSFというのは、科学の知識をテーマの中心にしたSFです。遠い未来のテクノロジーは、私たちにとって、そもそも「ブラックボックス」ですね。そのブラックボックスの中身を想像してみるということが好きでした。
 最近のガンダムにも、「軌道エレベーター」など、まだ人類が実現できていないアイディアが出てきます。そういうのを見るにつけ、子供のころにA.C.クラークの「楽園の泉」などを読んでいた私としては、「そんなの知ってるもんね」、と思ったりするわけです。大人になってからは、「軌道エレベーターみたいな巨大構造物を作るには、材料科学のブレークスルーが必要だな」とか、「いやいやその前に経済的な課題の方が大きいな」などと、ちょっと夢がなくなったりしながらも、想像するわけです。
 さて、大学では、コンピューターで人間の視覚の機能を実現する研究に取り組んでいいます。研究活動では、SFを楽しんだときに培った「想像力」が、実はたいへん役に立っています。ぜひ、大人も子供も一緒になって、想像力を働かせながら、サイエンスデイをエンジョイしてください!!

東北大学 環境科学研究科長 川田 達也 さん

 サイエンスデイ2022の対面開催おめでとうございます。新しいワクワクがたくさん生まれることを期待します。私が子供の頃は、未来は夢を持って描かれることが多く、日本も高度経済成長期にありました。公害問題や交通戦争などはありましたが、それでも、明日はきっと今日よりも良い世の中になると信じられる時代でした。最近は、温暖化による気象変動やマイクロプラスチックによる海や空気の汚染など、原因とその影響が世界規模に広がり、簡単に解決できない課題がいろいろ顕在化してきました。国内でも少子高齢化や産業競争力の低下など、暗い話題ばかりが目につくようになりました。しかし、サイエンスには、これらをひっくり返すような大きな可能性が秘められているはずです。次世代を担う子供たちも、それを支える大人たちも、日常のささいな発見やちょっとした工夫にときめく心を大事にして、世界を(少しだけでも)変えていきましょう。

東北学院大学工学部長 岩谷 幸雄 さん

 「学都「仙台・宮城」サイエンス・デイ2022」の開催おめでとうございます。新しい技術を開発し、社会に定着するためには、科学によって明らかになった原理を理解する必要があります。また、開発した技術を使うルールや経済的コストの概念も欠かせません。つまり、文系・理系を問わず手を携えた社会の協力が不可欠です。サイエンス・デイを通して、様々な分野の多くの方々と親しくなり、協力関係に発展していくことが、仙台・宮城からの発信にも繋がると期待しています。また、現在の技術の多くは、その原理を目で確認できることが少なくなってきたように思います。紙やフィルム、CDなどのメディアがなくなり、全てがデジタル化されたパケットの上でやりとりされる時代に、技術の原理はますますブラックボックスになりつつあります。その中で、サイエンス・デイでは、技術の原理を互いに発表、説明しあって理解を深めるよい機会になっていると感じています。東北学院大学工学部は、2023年から多賀城市から仙台市五橋キャンパスに移転しますが、このような仙台を中心としたサイエンスコミュティの中に入れていただくことを目前にして、期待を膨らませています。今後ともよろしくお願いします。

仙台市天文台 名誉台長 土佐 誠 さん

 サイエンス・デイ2022の開催おめでとうございます。コロナ禍の開催準備、ご苦労さまでした。関係者、参加者の皆さんのご努力に感謝いたします。再びサイエンス・デイで様々なサイエンス・科学に出会えることをうれしく思います。自然に触れていると、不思議な現象、謎や疑問に出会います。そんな時、僕は科学の「気配」を感じます。謎や疑問を考えているうち、それまでに学んだ自然の法則や考え方などによって謎が解け理解できることがあります。そんな時、僕は科学の面白さを感じます。自然の不思議や謎に気づき興味を持つことは「(科学的)感性」の力だと思います。「感性」を磨くことによって自然がより豊かに見えてきます。そして、謎や疑問を深く考えることにより科学的思考力が養われ、自然をより深く理解できるようになると思います。サイエンス・デイで新しいサイエンス・科学に出会えることを期待し、サイエンス・デイの成功を祈っています。

東北大学 理事・副学長(教育・学生支援) 滝澤 博胤 さん

 このたび、学都「仙台・宮城」サイエンス・デイ2022が対面にて開催されますこと、大変うれしく思います。サイエンスの入り口は「観察する」こと、「見て、触れて、実感する」ことがとても大切です。これまで見聞きしたことのない世界、体験したことのない世界を実感し、その感動を心に抱いて未来を創造する志を育んでいただきたいと願います。 ここ仙台、宮城には長い歴史に育まれたサイエンスの土壌があります。サイエンス・デイでは、高校や専門学校、高専・大学、地域クラブ、企業など、この地に集う多くの機関が展示や体験イベントなどの多彩な催しを企画しています。参加する皆さんの探究心に火を灯す素晴らしい機会となることでしょう。今日の感動を胸に、未来の姿を創造していきましょう!

東北大学名誉教授・立命館大学客員教授 野家 啓一 さん

 東日本大震災と東京電力福島原発事故から早や10年を経ましたが、メルトダウンした原子炉はいまだ廃炉の目途すら立っていません。この10年のあいだ、「人新世」の到来、COVID19によるパンデミック、ゲノム編集による人類改造の可能性、プラスチックごみによる海洋汚染など、科学技術がもたらした巨大な恩恵と重大な危機は留まるところを知りません。科学技術は諸刃の剣であり、科学の進歩や技術の革新が人類に幸福をもたらすという神話は、すでに前世紀の遺物と言えるでしょう。人類が直面する諸課題は、いずれも科学「なし」では解決できませんが、科学「だけ」でも解決はできません。自然科学と人文社会科学とが連携し協働して科学技術の適正な社会的制御を目指す「総合知」の出現が求められるゆえんです。「サイエンスデイ2022」の研究活動を通じて、若い世代の方々の知恵を結集し、人類の存続に資する「総合知」へ向かう道筋を切り拓いていただくことを大いに期待しています。

日本金属学会 副会長・東北支部長 吉見 享祐 さん

 科学が、人々の心を魅了するのはなぜでしょう?自然現象を説明するのに、多くの数式や実験的検証の積み上げが必要になりますが、実際のところその現象を正確に、疑いの余地なく説明することはとても難しいのです。しかし私達はそういった専門家たちの苦労とは無関係に、自然や科学を楽しむことができます。その楽しみとは、自然現象を自分なりに解釈してみたり、直感的に感じてみたり、目の奥に焼き付けられた強い印象を何度も思い返してその再現を期待してみたり、といった具合です。もし仮に、残念ながらそこに期待した科学がなかったとしても、同じような期待をした人たちが集うならば、そこには新しい科学の泉が創造されるのだと思います。そこに、よく似た想像をした仲間、あるいは強い抵抗感、違和感を感じた仲間が集い、互いの考えを交換しながら新しい気付きを一緒に模索していくこと、これがまたさらに楽しさを膨らませてくれます。

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